ギザ十な日々

2人の息子と妻との日々を書いています。

絶望は突然に

 

 

 絶望、それは献身の双生児である

 アルジャーノン・スウィンバーン

 

 

人間って闇の底に突き落とされて初めて小さな光を知るんじゃないかなって思う。

佐村河内守

 

 

 

 

 

 

 

憔悴しきっている私の前に人事担当者。

 

f:id:yakiimoboy:20161113152708p:plain

 

総務部「――それでは、改めて焼き芋さんの車両違反を確認します。一般道におけるスピード違反で3点、携帯電話使用2点、赤信号時の信号無視で2点。累計7点」

 

「……はい」

 

総務部「後は点数にかかわらないけど、免許証不携帯で罰金3000円ですね。罰金の累計は39000円です。当然、こちらは全額焼き芋さん負担となります」

 

「……もちろんです」

 

総務部「そういえば、あなた、すでに過去の違反で点数がたまってますね。今回の違反の前に5点分加算されていましたね」

 

「……」

 

総務部「焼き芋さん、間違いないですよね?」

 

 

「は、はい」

 

総務部「今回の一連の違反と合わせて、累計12点。90日間免停ですね」 

 

「……」

 

総務部「とりあえず課長と部長を呼びましょうか」

 

――

 

 

 

コンコン

 

課長「……」

 

部長「おい、焼き芋。お前どういうこと?(半笑い))」

 

「す、すみません……」

 

課長「すみませんじゃなくてさ、まずどういう経緯で違反したのかを説明しないと」

 

「す、すみません……ええっと」

 

部長「いや、いいよ。事情は総務部から全部聞いてるから」

 

課長「……」

 

部長「お前さ、営業としての能力を問う以前に、社会人として失格だろ」

 

「……」

 

部長「……俺たちはさ、子供のおもりしてんじゃないんだよ。それくらいはお前、わかるよな」

 

「は、はい」

 

部長「――もういいよ。お前、営業から外れるしかないね。だったそうだろ?車に乗れない営業なんて、使い物にならないだろうが」

 

「で、でも、電車を使うとか」

 

課長「まだそんなこと言ってんの?お前ほど問題抱えている奴、前例がないんだよ。笑えないよ」

 

 総務部「言葉はある程度慎んでください。今の若者は、すぐにパワハラだの言ってきますので」

 

「い、いえ、そんなこと僕は」

 

部長「そんなこと言えるわけないよな。今の状況で。まあ、もうどうでもいいよ。営業は無理。少なくとも、うちの部署からは外れてくれ」

 

総務部「その判断は一度総務部で話し合います。ただ、部長の言っていることは的外れでないことはわかりますよね?」

 

 

 

「」

 

 

ーー

 

会議室を出ると、同い年くらいの従業員が、いつものように愚痴を話しているのが聞こえた。

 

従業員A「なんでこんなにめんどくさい案件が一気に立て込むわけ。嫌がらせでしょ(笑)」

 

従業員B「クレーム対応本当に気が進まないわ。俺はこんなことをするために会社に入ったんじゃないんだからさあ」

 

 

という、実にありきたりな内容。そんな会話をしている彼らがとてもうらやましく思えた。もはや自分には、そんなことを思う権利すら失われた。

 

 

 

――転職って、どうやって進めればいいんだっけ……?そう思わざるを得なくなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

f:id:yakiimoboy:20161113152706p:plain

 

 

「……夢?」

 

 

ベッドの上。カーテン越しに明かりが漏れる。 

 

 

絶望的な夢。起きた直後は、どちらが現実なのかわからなかった。少しして、

 

免停になって折檻されていたのが夢だった

 

ことを確信。ほっと胸をなでおろす。

 

 

 

……こういう悪夢は時折見る。仕事で大失態をしたり、なぜか裁判で負けて犯罪者になったりする。ひどいときには人を殺して死刑になった時もある。

 

こういう絶望感たっぷりな夢は、『どうせ夢なんだろ』という感想を持つこともない。実感が伴い、起床後も鮮明な記憶として残る。

 

 

 

これは後味が悪い夢?…いや、そんなこともない。 

 

 

 こういった夢を見た後の気分は、決して悪い心地ではない。むしろ、ホッするというか、安堵感に包まれる。大事件の前に時間を巻き戻したような気持ちだろうか?今までの普遍的な日常が、心満たされた世界に変わる。

 

 一方で、時折味わう夢の中の絶望感は、自分を戒める強力な効果がある。今回の車両違反の例でいえば、

 

これからは車の運転を気を付けないと

 

と強い気持ちとなる。

(これは、麻薬にはまったことで絶望的な未来が待っているのを描いた作品を見た後に、「麻薬なんて絶対にやらないようにしよう……」と思う感覚に近いかもしれない。)

 

更に言うと、車両違反した人の気持ちを十分に理解したくなる。失敗するのは他人事ではないのだから。失敗してしまった人にやさしくできる人は、過去に同じような失敗をした人ということだろう。

 

 

あくまで考察レベルではあるが、絶望の疑似体験は

 

①今がいかに満たされているかを感じる効果

②絶望に近づく行動をしないための抑止力効果

③失敗した人を責めるのではなく、理解する努力をする効果山本周五郎効果と呼ぼう)

 

があるのかもしれない。

 

とすると、今回のような悪夢も、一概に悪いものとは言えないように思う――というか、かなり良いものに思う。 夢を見ている間はまさに「絶望」だが。

 

 

 

 

……しかし、自分の脳みそは、何故こんな夢を己の意識に見せたのだろう? 

 

 

 

 とてもFU・SHI・GI。 

 

 

 

 

 

失われた記憶

 

 人間よりは金のほうがはるかに頼りになりますよ。頼りにならんのは人の心です。

尾崎紅葉

 

 

みんなが正直であればいいんです。そのほうが得なんです。そうすればみんなが救われるんです

ライアーゲーム』より

 

 

 

 

 

 

f:id:yakiimoboy:20161104200434p:plain

 

 

 

 

 

3か月前のこと。

 

課長と同行営業。取引先であるカリアゲ商事に夏季ご挨拶。

 

f:id:yakiimoboy:20161104200959p:plain

 (酒は飲んでません) 

 

 

 

何事もなく挨拶を終え、そのまま車で事務所に戻ることなった。

 

課長「そろそろ昼だし、そのままどこかで昼ご飯を食べてから帰るか」

 

「そうですね。どこがよろしいでしょうか?」

 

課長「そうねえ、とりあえず車を出してくれ。助手席で適当に探してみるから」

 

 

 

営業車に乗る。私が運転、課長は助手席に座り、スマホで飲食店を検索し始めた。

 

課長「今日はカレーの気分だな。ここから少し行ったところに評判のカレー屋があるみたいだから、そこに行ってみよう」

 

「承知しました」

 

 

課長が行きたいというカレー屋へ向かう。少しして目的地に無事到着するが――。

 

 

「――あ、駐車場がないですね。どうしましょう?」

 

課長「そうねえ……。まあ、いいよ。適当に近くの駐車場に停めてよ」

 

「承知しました」

 

パーキングを見つけ、そこに車を停める。

 

 

 

――

 

f:id:yakiimoboy:20161104200811p:plain

 

店主「アリガトーゴザイマシター!!」

 

カレーを食べ終え、駐車場に向かう課長と私。

 

 

「カレー、どうでした?」

 

課長「う~ん、まあ、なんというか……普通だな。悪くないけど、特段記憶に残る感じでもないな。お前は?」

 

「まあ、そうですね。でもまあ、おいしかったですよ。パーキングに車を停めてまで食べに来たいとは思いませんが(笑)」

 

課長「そりゃそうだろうな……あ、雨が降ってきた。早く戻ろう」

 

 

――

 

車に戻り、駐車場代を払う。 駐車場代200円。

 

課長「あ、いいよ。俺払うから……って、悪い悪い、細かいのがないや。さっきのカレーで使っちゃったんだよね。まあ、後で払うからここは払ってもらっていい?」

 

「わかりました。あ、でも100円でいいですよ?」

 

課長「そうはいかんよ。この店がいいっていったのは俺なんだから」

 

「すみません、ありがとうございます。それではとりあえずここはまとめて払っちゃいます」

 

課長「うん。後でちゃんと請求して

 

ということで200円を払い、そのまま事務所に戻ったのであった。

 

 

 

 

些細な夏の出来事である。

 

 

 

――

 

今日。夕刻。

 

外勤から戻り、事務所にて内勤していると、隣に座っていた課長に声をかけられる。

 

 

課長「――なあ、焼き芋よ」

 

 「はい?」

 

課長「10月中旬にさ、お前と一緒に出張しただろ?」

 

「はい。ホンニャラごっこ株式会社にプレゼンに一緒に行きました。はい」

 

課長「そう、それ。あの日ってさ、朝に事務所を出て、新幹線で最寄り駅まで行っただろ」

 

「はい。ホゲホゲ駅でプレゼンの打ち合わせをしました」

 

課長「そうそう。それで、ホゲホゲ駅近くのファミレスで打ち合わせしながら昼食をとっただろ?」

 

「はあ」

 

課長「あの時、2人してパスタを食べたの、覚えてる?」

 

「はあ」

 

課長「確かお互いナポリタンを食べたけどーーまあ、なんだ。あれだ」

 

「……」

 

課長「――」

 

 

「…………あ!!」

 

 

私はその時のことを思い出す。

 

――

 

10月中旬。

 

 

f:id:yakiimoboy:20161104201940j:plain

 

あの日は、プレゼンの打ち合わせをしながら、二人して同じナポリタンを食べた。

 

f:id:yakiimoboy:20161104202140p:plain

 

 

「コウコウこうなって、この段階でこれを見てもらうこととなります」

 

課長「なるほどね。いいんじゃない?ところで、この時に使うポケットティシュって用意してある?」

 

「あ!忘れてました!」

 

課長「しょうがないなあ。まあ、気づいてよかったよ」

 

「近くのコンビニで買ってきます。購入したらここに戻りますね」

 

課長「わかった。まあ、気を付けて」

 

――

 

「行ってきました。無事に必要量、手に入りました」

 

課長「よかったよかった。じゃあ、まあ、行こうか。とりあえずここの支払いは払っといたから」

 

「あ、すみません。後で必ず返しますので」

 

課長「うん。まあ、時間もないしボチボチ行くか」

 

あの時の昼食代は課長に出してもらった。別におごってもらうつもりではなく、時間の節約のためにまとめて払ってもらっただけ。

 

 

 

 

 

……だったのだが。

 

 

 

払ってもらっていたことをすっかり忘れていたのであった。

 

――

 

 「し、失礼しました。返すといっておきながらすっかり忘れてました。あのときのナポリタンって、いくらでしたっけ?」

 

課長「ええっとね、俺もちゃんと覚えていないんだけど、確か800円くらいだったと思うよ。」

 

 「正確に払わせてください。ファミレスのHPを見ればわかりますから」

 

 

課長「いいよいいよ、そこまでしなくても」

 

「あ、すみません、それじゃあ――」

 

 

と思い、課長に800円を渡す。

 

課長「確かに受け取った。なんていうの?こういうのは忘れるとアレだからさ(笑)」

 

「そうですね。絶対に忘れちゃいけないやつです。言っていただいてありがとうございました」

 

課長「うん」

 

ということで、再び内勤に取り組む。

 

 

 

……と、これで終わればいいのだが、私の中でずっとモヤモヤしていた気持ちを吐き出したくなった。このタイミングを無くしたら一生問いかけるチャンスがないと思ったのである。

 

 

「……そういえば課長」

 

課長「ん?」

 

「あの、今更で本当にアレなんですけど」

 

課長「ん?」

 

「さっきのナポリタンと関連して、ついでにお伝えしておきたいことがあります」

 

課長「うん?」

 

「今から約3か月前。夏のころですけど。一緒にカレーを食べたこと、覚えてます?」

 

課長「カレー?夏に?」

 

 

課長はキョトンとする。私は続ける。

 

 

「はい。カリアゲ商事に一緒に夏のご挨拶に行った時です」

 

課長「カリアゲ商事に行ったことは覚えてるよ。でも、カレーなんて食べたっけ?」

 

「食べたんです。ちょうど事務所に戻る帰りがてら、課長が調べたカレー屋さんに行きました」

 

課長「ふ~ん。まあ、あんまり覚えていないけど、それがどうしたの?」

 

「そこのカレー屋に行くと、駐車場がなかったんです」

 

課長「?」

 

「そこで、近くのパーキングに停めました」

 

課長「……?」

 

「その時のパーキング代、覚えてます?」

 

課長「……いや、あんまり覚えていないなあ」

 

本当に覚えていない様子。私は続ける。

 

 

「パーキング代は200円でした。その200円はとりあえず僕が払っていたんですけど、その時に課長が『あとで俺が払うから』と言っていたんですが、今思い出したら、それ、払ってもらっていなかったなあ――なんて(笑)」

 

課長「……そんなことあったっけ?(笑)」

 

「ええ、あれは雨の日でした。課長は昼食に食べたカレーをあまり評価してませんでした。僕は普通においしいと思いました。店主が妙に陽気でした」

 

課長「……」

 

「まあ、ちょっと思い出しただけなんですけどね。お忘れならば、まあなかったことに」

 

課長「いや、それは払うよ。ごめんごめん、すっかり記憶から抜け落ちてた。じゃあ、さっきもらった800円のうち200円返すよ」

 

「いや、100円で大丈夫です。これは本当に」

 

課長「いや、いいよ。200円返す(笑)」

 

「いや、本当に100円でいいですって」

 

課長「いいから、本当に」

 

「……あ、なんだかすみません」

 

 

 

ということで、課長から200円もらう。

 

 

 

 

 

 

 

お金というのは、金額の大小にかかわらず、貸した側と借りた側の記憶に齟齬が生じるもののようである。

 

 

おしまい。

 

 

 

追記

……ただ、このタイミングで課長に請求した自分に自己嫌悪を覚える。よく奢ってもらったり仕事で迷惑をかけているのだから……もう忘れてもいい金額だったよなあ(苦笑)

 

 

 

 

大阪マラソン 備忘録

 

 

 

昨日行われた第6回大阪マラソンに出場した。

 

 

 

 

 

前日。

 

 

f:id:yakiimoboy:20161031074620j:plain

 

前日に登録作業のために会場であるインテックス大阪に行く。人の多さに圧倒されながらも昼過ぎに済ませる。

 

f:id:yakiimoboy:20161031074526j:plain

 

会場では様々なスポーツ用品や屋台が出店しており、とても賑やかであった。私も、当日に使えるウエストポーチを購入した。(直前に買うなって?素人だからいいんだよ)

 

 

 

その日はお酒も飲まずに23時前くらいには休む。

 

 

 

 

――

 

マラソン当日。6時すぎに起床。シッカリ熟睡できた。

朝食に冷凍うどんと卵焼きとたらこを食べる。食欲もいつも以上に旺盛なり。

 

 

 

f:id:yakiimoboy:20161031074559j:plain

 

8時前に会場に到着。到着してあまり間をおかずに、スタート地点に並ぶ。

 

 

f:id:yakiimoboy:20161031074607j:plain

(誰かの腕が思いっきり被る)

 

 

 

スタート地点は、かなり後ろのほう。後でわかったことだが、どうやら約3万人の参加中、私が立っていた場所は

 

29500位

 

あたりだったらしい(苦笑)。ほぼ最後尾である。振り返るとあんまり人がいない。まあ初参加だし、しょうがないしょうがない。今回はタイムや順位は二の次。リラックスして楽しむのだ。

 

あ、ちなみになぜ順位がわかるかというと、最近のマラソンでは位置計測チップというのを渡されるのだが、それによってスタート~各拠点~ゴールの順位はもちろん、タイムなどがすべてネット上で把握することができるのである。だから、ネットを通じて知人や家族に自分のタイムや順位を定量的に伝えることができるのである(それがいいことなのかわからないけど)。

 

 

 

さて、9時にスタート。しかし、大行列の中の最後尾に位置する私がスタート地点に到着できたのは、おおよそ28分ほど経過してからであった。

 

――

 

当日はとてもよい天気で、風もなく走りやすい気候だったと思う。自分としても、最高に気持ちよく走ることができた。

 

 

 

……結果。

 

 

 

 

 

無事に完走できました!

 

 

 

タイムは4時間15分以内くらい?でした。まあ、初出場にしては頑張った頑張った!といってやりたいです。

 

最後尾スタートだったせいか、常に人を追い越しながら走ることとなった。これが気持ちよくてしょうがない。30㎞あたりで歩く人が増えるとは聞いていたが、その人たちを抜いていく時は快感回路がビンビン刺激された。

 

とにかく、完走できたことが嬉しかった!体調も万全だったし、すべてがうまくいきすぎたように思います。次回はもっとタイムを意識して頑張っていきたいなあ、なんて調子に乗ってますが(笑)

 

 

最後に、応援してくださった世界中のファンの皆さん、ありがとうございました!(推定百億万人)

 

 

――

月曜日。この日記を記す。さて、そろそろ会社に行こうっと。またいつもの日常である。世界はすぐには変わらないもんですね。

 

 

知らぬが仏――知るは勇気がいることよ

 

 

 自分に何ができるかは、自分以外の者にはわからない。いや、自分でもやってみるまではわからないものだ。

ラルフ・ワルド・エマーソン

 

 

無知を恐れてはいけない。偽りの知識を恐れよ。

ブレーズ・パスカル

  

 

 Hold up Hold on Don't be scared You'll never change what's been and gone

 Oasis『Stop Crying Your Heart Out』より

 

 

 

「あと……少し……!」

 

 

f:id:yakiimoboy:20161023162155j:plain

 

 

走り始めて約4時間。体力はすでに限界だった。しかし、若者らしい実直さとガムシャラさを最大限発揮し、私はラストスパートをかけた。

 

 

 

 

 

 

河川敷のランニングコース(推定10㎞)を4周

 

 

これをフルマラソンに見立て、土曜日の正午にスタートした。

なぜこんなことをするのかというと、来週の日曜日に「あのイベント」が控えているからである。

 

――そう、

 

 

大阪マラソン

f:id:yakiimoboy:20161023162239p:plain

 

 

である。

 

 

以前も記したが、大阪マラソンの抽選に当選したのである。決戦は10月30日(日)。残りわずか6日ちょっと……!

 

 

 直前の練習は極力避け、最終週は休息につとめる予定とした。そのため、今週の土曜日は、走り込みができる最後のチャンスだった。

 

 そこで、普段走っている河川敷コース(推定10㎞)を4周走ることにしたのだった。普段は1~2周程度だったので、いつもの数倍多く走らなければならない。だが、本番を控えて今更おびえている場合ではない。

 

やはり、事前にフルマラソンのつらさを体感しておきたかったのである。その方が、本番のペース配分も考えやすいと思ったからである。まさに『敵を知り己を知れば百戦危うからず』、というわけである。

 

 

――

 

河川敷で練習する高校陸上部に交じりながら、ひたすら孤独に走り続ける。

 

 最初の1周目。昨日の飲みすぎが影響したのか、少し足が重い。それでも、少しずつ体が慣れてくる。

 

2周目。中盤あたりで、体のいたるところが痛み始める。しかし、まだまだ余裕がある。ちょっとおなかが空いてくる。

 

3周目。体力的にかなりつらくなる。しかし、体の痛みに慣れてくる。

 

4周目。体力及び全身の痛みがピーク。ふくらはぎはすでに破裂寸前、ひざはガクガク。おまけに、寒気にも襲われる。き、気持ち悪い……。

 

 

……それでも、自分の限界を超えているのがわかった。未知の領域に踏み込む。頭の中ではオアシスのStop Crying Your Heart Outが流れる。

 

「あと少し……!」

 

 

 

 

……そして

 

f:id:yakiimoboy:20161023162146p:plain

 

 

 

ついにやり遂げた。こんな小さな自分でも、フルマラソン(予行)を達成できた。

 

タイムは4時間ちょっと。まあ、こんなもんだろう。もう少し頑張ればサブ4(4時間を切る)も夢じゃないな。

 

 

これで、もう大丈夫。もう、何も怖いものなんてない。大阪マラソンの次はトライアスロンにでも挑戦してみようかしら。そんな自信に満ちあふれた心地。

 

 

 

こんな私でもできたんだから、皆さんだってできるはずです!頑張ってください!

 

 

という、この世で一番意味の分からない言葉を川に向かって叫んだのであった。

 

 

――

 

 

翌日。日曜日。

 

下半身の筋肉痛で目が覚める。それでも、痛みが快感に感じる。

 

(これが達成感というやつか)

 

しばらくぼんやりしていたが、家にいてもすることがないので、家の近くのカフェでアイスコーヒーを飲みながら一服。そして、当日に向けてイメージトレーニングをする。

 

 

嗚呼、なんと有意義な土日の過ごし方だろう。この時間の過ごし方を世界中の人たちに伝えたく、私は日記を書くことにした。

 

 

 

 

……

 

 

 

 

 

 

 

……日記を書きながら、ふとあることを思う。それは、ある意味で実に根本的な疑問であり、決してが疑おうとしなかった疑問である。いや、疑うことを避けていたのかもしれない。

 

 

それは、

 

 

 

 

 

 

……私が走っていたコースは、実際のところ何Km何だろう?

 

 

 

f:id:yakiimoboy:20161023171935j:plain

 

 

ということである。

 

 

これまでの話では当たり前のように10㎞で話を進めていたが、実のところ、

 

一周が何Kmなのか、一度も正確に計測したことはない

 

のである。ただ、なんとなく感覚的に10㎞くらいかな、と思っていたのである。そこで、 もしかしたら10㎞もなかったかもしれないという可能性に一抹の不安にとらわれる。もしかしたら、知らない方がいいことかもしれない、そんな思いもあった。



だが、今更目を伏せるわけにはいかない。私は怖いもの見たさで地図サイトを使って計ってみる。

 

 

 

……

 

 

 

……

 

 

……

 

 

……

 

 

 

……(脂汗)

 

 

 

……マジンガー

 

 

地図サイト「はい。あなたが走っていたコースですが、1周で推定8kmです」

 

嘘でしょ?

 

地図サイト「本当です」

 

あんなにつらいのに?

 

地図サイト「客観的事実です」

 

多少の誤差はあるでしょ?

 

 

地図サイト「まあね。でもせいぜい100m程度の誤差じゃないすか?」

 

……じゃあ、なに?俺が4周していたっていうのは

 

地図サイト「お察しのとおりです。32㎞です。いや、もっと少ないかもしれません」

 

……じゃあ、じゃあ、

 

地図「そうです。フルマラソンのゴールは後+1周以上先です」

 

あの辛い状態からさらに1周走るの?

 

地図サイト「みんなそうやってゴールしてんだよ。甘ったれる暇があったら練習したら?まあ、ここで焦って練習して、直前で怪我したりしてね(わらい)」

 

 

 

 

 

……本番まであと7日間。当日まで不安な日々を過ごしそうです。

 

 

 

完走できたら褒めてね(えへらえへら)

 

 

 

 

 

限りなく赤に近いイエロー

 

 

 

 

健康で、借金がなくて、しっかりした意識があると言う幸福以外に、いったい何が必要だというのだ。

アダム・スミス

 

 

欠乏は人の注意を占拠し、それが限定的な強みをもたらす。差し迫ったニーズにはうまく対処できるのだ。しかしもっと広く考えると、それには代償がともなう。人はそれ以外の心配事をほったらかしにし、生活のほかの面での能力が低下する。

 

『SCARCITY:Why Having Too  Little Means So Much(いつも「時間がない」あなたに)』 センディル・ムッライナタン&エルダー・シャフィール

 

 

 

 

f:id:yakiimoboy:20161012215605p:plain

 

 

先週の木曜日。

 

 

 

 

課長「焼き芋、会議の時に使用する資料、進捗はどうだ?」

 

「次回の会議までには、問題なく出来上がります。明日の朝までにたたき台をメールで送りますので、確認と修正が必要な場所をご指摘ください」

 

課長「そうか。ところで、この前お願いした市場調査の資料はどうなった?」

 

「現在約6000のサンプルをまとめているところです。面白い結果がでそうです」

 

課長「頼んだぞ。そういえば、来週のプレゼンの用意、どうだ?」

 

「まだ途中ですが、明日の午後までにはまとめ上げられると思います」

 

課長「そうか、頑張れよ。じゃあ、俺は帰るから」

 

「え・・・・・・・?」

 

 

 

 

毎日のように残業。通常業務に加え、様々な資料作りに取り組んでいた。

まだまだ若輩者で、そこまで重要な仕事ではないかもしれない。それでも、少しずつ仕事を任せられていることに心地よさを覚える。

 

若い時の苦労は買ってでもせよ

 

こんな古臭くも励みになる言葉を自分に向けながら、仕事を終わらせてはまた新たな仕事をこころよく迎え入れた。そして、来週には大事なプレゼンが控えている。

 

 

 

 

その夜。

 

来週の大事なプレゼンに向け、資料作成に22時過ぎまで残業。家に着くと23時近くになっていた。

 

疲れきった体はあまり空腹を感じていなかったが、なんでもいいからお腹に入れて早めに眠りにつきたかった。

 

f:id:yakiimoboy:20161009180845p:plain

 

 

戸棚にある袋のインスタントラーメン(サッポロ一番)を手に取り、鍋に火をかける。

 

 

「ラーメンだけだと・・・・・・なあ」

 

 

 

 

しかし、最近のあわただしい生活の影響で、冷蔵庫にはろくなものが入っていない。

 

野菜室を見ると、キャベツと玉ねぎが入っている。キャベツは少し黒い斑点が浮かんでいたが、危うそうな部分をとれば問題ないだろう。玉ねぎもいつ買ったのかわからないが、腐敗している様子もないし、こちらも食べられないこともないだろう。

 

 

これら野菜を手に取り、包丁でざく切りし、沸騰する鍋に放り込む。

 

野菜を煮込んでいる間、顔を洗い、コンタクトを外す。風呂は朝シャワーにすることしよう。

 

 

 

 再びキッチンに戻り、袋ラーメンを入れ、麺をほぐす。粉末スープを入れた後、最後に卵を落とし、完成。「超健康ラーメン」の出来上がり。

 

(画像はでせられるレベルでもないので載せない。まあ、これをラーメンと認識する人はあまりいないだろう) 

 

 

デキル男の夜食は、油まみれのラーメンではなく、身体を意識した野菜たっぷりラーメンなのである。もちろん、卵を入れることでタンパク質も補うことに成功している。

 

 

――

 

ずずずず

 

 

 

「……うん?まだキャベツに火が通ってなかったなあ。それに、野菜から汁が出て味がかなり薄くなってる。……しょうがないなあ」

 

キッチンに戻って塩コショウと七味唐辛子とマヨネーズをとってきて、ラーメンの上にそれらをフンダンふりかける。

 

「……まあ、食べられなくはないな」

 

引き続き食事を続ける。しかし、途中から眠気が強くなり、半分ほど食べ終わったあたりで残して眠ってしまった。

 

 

 

 

 

――その夜。

 

 

 

 

 

(……い、痛い)

 

キリキリとしたおなかの痛みで目を覚ます。

 

 

f:id:yakiimoboy:20161009180926p:plain

 

 

 

 

(これは、やばいやつかも……)

 

 

眠っていた最中の強烈な腹痛で目を覚ましたせいか、意識は朦朧。ただ、自分が瀬戸際にいることだけはハッキリと感じた。

 

 

  トイレにこもりながら、おなかが痛くなった原因を考える。すぐに思いついたのが、

 

数時間前に食べたあの煮込みラーメン(らしきもの)

 

 

である。

 

 

……考えてみたら、野菜は大分前のもので、すでに腐敗が進んでいたものだったかもしれない。それをあんまり火が通っていない状態で食べた。おまけに、味が薄いということでコショウや七味唐辛子やマヨネーズをたっぷりとかけた。もともとおなかが弱い自分にとって、これは強力な刺激だったかもしれない。しかも、連日に続く残業で体に疲労が蓄積していたので、内臓も一段と弱っていたことだろう。

 

 

少し考えればわかりそうな危険な行為を、うかつに行っていたことに後悔した。

 

 

いずれにしろ、決して倒れるわけにはいかないタイミングである。明日までに提出しなければならない資料もある。それに、来週には大事なプレゼンが控えている(これいうの3回目)。

 

 

しばらくして、少しだけおなかの痛みが引いた。憔悴した状態でベッドに戻り、おなかを温かくして眠った。翌朝、お腹の痛みが少しでも収まっていることを祈りながら。

 

 

――

 

f:id:yakiimoboy:20161012212602j:plain

 

翌朝。

  

朝起きると、何事もなく腹痛は収まっていた。ドラマであればここで腹痛が激しくなり、翌日から入院!!となったほうが面白いのだろうが、幸か不幸か、私の場合は体調が回復していた。(ただ、起きあがる際、軽くお腹に痛みを覚えたことから、昨晩のことが夢でないことだけは確信した)

 

 

その日はお腹に刺激を与えないよう、仕事の友であるコーヒーや緑茶を控え、麦茶を持参して飲んだ。昼ごはんもチョコレートを食べる程度にした。

 

土日も、いつもであればランニングをしたり、会社のパソコンを使って翌週に控えた大事なプレゼン資料のブラッシュアップに努めるのだが、今回は休息に徹した。

 

体は随分と疲れがたまっていたのか、土日はほとんど睡眠と読書で終わった。それでも、心身ともに回復していくのを感じた。

 

当日の資料作りのために費やした時間は減ったが、休息をとったことで心身の調子を整えることができた。 

 

――

 

そして、本日がその大事なプレゼンの日だった。

 

 

 

 

結果は、特段大きな失敗もなく終了。忘れ物もなかったし、先方からもそこそこの反応を得られたと個人的には思っている。ただ、準備していた頃にあれほど大事だと思っていたプレゼンだが、終わってみると「そこまで大事なこと?」と思ってしまったのも本音である。


いずれにしろ、腹痛が悪化した可能性を考慮すると、今回のプレゼンは大成功だったよ!と、過去の自分に言ってやりたい。

 

 

 

 

以上。

 

 

――まあ、単なる一時的な腹痛だし、自分以外の人にはあまりにもどうでもよい体験談かもしれない。でも、自分にとってはとても重要な経験と思った。

 

今回得た教訓、それはすなわち、

 

 

 

 

 

 

ゆとりは大事

 

 

 

 

ということである。

 

 

 

 

……以上、ゆとり世代からでした。あんまり共感得られないだろうね(苦笑)

 

 

 

 

 

 

 

アホも金なり

 

 

 

 

 

先々週の金曜日(9月23日)。

 

会社の休みをもらって知人と2人でUSJに行ってきた。

 

 

f:id:yakiimoboy:20161002123930j:plain

 

 朝5時に起床し、6時頃に家を出て、8時くらいにUSJに到着。

 

 

 

各アトラクションをのぞいたり、パレードを見たり、レストランで食事をしたり、有名なバタービールを飲んだりして時間を過ごした。何より、ツレが楽しんでくれたのでよかった。夕方あたりになると疲れ切った様子ではあったが。

 

 

せっかくなので、USJで過ごしたツレとの思い出を記してもよいのだが――本日は違う内容を記したい。

 

 

 

 

 

 

 

とにかく、私は、USJに怒っている。

 

f:id:yakiimoboy:20161002134432p:plain

(dare)

 

ここから先は、読む人によっては不愉快な気分になるかもしれないので、USJ大好きな人は読まないでいただきたい。

 

仮にキティちゃんに嫌われてしまっても構わない。ダイナソーに脅されても断固として書く。ハリーポッターが箒で叩いてこようが、スパイダーマンにぐるぐる巻きにされようが、セサミストリート集団に拉致されようが関係ない。

 

 

私が怒りたいこと、それはずばり、

 

 

 

 

金がかかりすぎる

 

 

f:id:yakiimoboy:20161002125137j:plain

 

 

ということである。

 

 

私は大変なお金持ちなので、お金に関するけち臭い話はしたくない。しかし、USJ訪問から1週間、今更のように夢から覚め、現実を振り返る覚悟ができた。

 

 

レシートは逐一管理していたので、そのレシートをもとに、USJを通してトータルいくらかかったのか?ということを調べてみることにした。

 

 

 

「みみっちい男だね。今更になってそういうことを調べようなんて」

 

等という批判に耳を貸すつもりはない。お金にだらしない人間よりよっぽどましである。

 

 

 

私がUSJで使ったお金は以下のとおりである。

 

 

 

f:id:yakiimoboy:20161002123730p:plain

 

 

なんと約35000円。鼻血が出た。

 

……せ、 せっかくなので支出の詳細を見て行くことにしよう。

 

 

まず初めにDVD代。これは、せっかくユニバーサルスタジオに行くのだから、事前にアトラクションの題材となった作品をDVDを借りて予習しようと思ったのである。ただ、借りたDVDはほとんど見れなかったのでほとんど不要な出費であった。

 

さて、最も大きいのが

 

チケット代(ワン・デイ・パスというやつ)

 

である。……まあ、これはしょうがない。ちなみに、ツレと自分の2枚分の代金である。それに加えて

 

すぐに入れるチケット(エクスプレスパス。通称、『成金チケット』と呼ばれる)

 

 

も買った。

 

このチケットを買うと、列に並ばなくてもすぐにアトラクションに乗ることができる。まさに、タイムイズマネー、並ぶ時間をお金で買うわけである。

 

 

……ただし、このチケット、実に高いのである。単純計算すると、1つのアトラクションを時短するために、約2000円かかるのである。

 

 

当日は、できる限りツレに待ち地間を味合わせたくなかった。確かにこのチケットを買っておいたおかげで、当日は大蛇のような列を並ばずにいろいろなアトラクションを楽しむことができた。

……しかし、途中から金にものを言わせて順序良く並んでいる人の列を無視してアトラクションに乗ることに罪悪感を感じはじめた。

 

 

(果たして私は本当にこのアトラクションに乗ったといえるのだろうか?この待つというひと時こそが、アトラクションを楽しむための正しい手順だったのではないか?それを抜かしてただ乗り物に乗ったからと言って、本当にこのアトラクションの楽しさを充分に感じられているのだろうか?)

 

 

そう思うと、だんだん気持ちが萎えてきたのである。

 

「いちいち理屈っぽい人だね。ツレの人を楽しませることができたんならそれでええじゃないの。第1目的が果たせたのに今更グチグチ言うなんて、器が小さいやつ」

 

という言葉には耳を貸さない。

 

 



あと、ともかく、食べ物もいちいち高いんですよ。食事代はツレがほとんど出してくれたので、上記表には計上されていないが、これを含めるともっともっとお金がかかっていたことになる。あな、おそろしや。

 

 

 

ともかく、 しばらくはUSJにはいかないだろう。1週間前のことながら、いまだに引きずる経験なのであった。

 

ーー

 

昨日、土曜日。

 

金曜日に先輩と飲み会。べろんべろんになるまで飲んだため、土曜日は最悪の目覚め。

9時過ぎに起床し、ぼんやりしながら麦茶を飲む。

 

麦茶を飲みながら、散らかった部屋を眺めていると、部屋の片隅に何やら黒い袋があることに気が付く。

 

 

 

 

 

 

 

これを発見し、血の気が引く。

 

「あ、やばああああい……」

 

私はあわててその黒い袋を持ち、外に出かける。

 

 

 

 

 

 

 

――

 

 

 

f:id:yakiimoboy:20161002151603p:plain

 

 

 

 

 

「ご返却ですね」

 

「……は、はい」

 

「え~と、……あ、こちら」

 

「……はい」

 

「えーと、2日分延滞でこちらになります」

 

「……(涙)」

 

 

 

 

f:id:yakiimoboy:20161002134943j:plain

 

 

 うわああああああああああああ

 

 




どんな絶叫マシーンに乗るよりもリアルな絶叫をしたのであった。

 

 

USJはまだ私から金をむしり取ろうというのか。むごすぎる。恐ろしい。呪いである。

 

 

私はUSJ……ではなく、最終的に自分の間抜けさに心より怒りと失望を覚えたのであった。(というか『バックトゥザフューチャー』は絶対に借りる必要はなかった。すでにアトラクション終わってるし。あと、ハリーポッターなんて、結局、『賢者の石』しか見なかったし)

 

 

 

 

――ここで一句。

 

 

欲はない だらしないから 金もない 

 

 

 

 

 

 

ないものづくしの我が人生なり……。でも、こんな人生も嫌いじゃないんですよね。アトラクションいらずの人生です。

 

 

 

 

閉ざされた心

 

 

 

Q 自分がブログをやっていることを、周りの人に教えてますか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

f:id:yakiimoboy:20160917111010p:plain

 

初めまして。焼き芋と申します。

 

現在、私はブログをしております。個人の日常を記している些細なものですが、まあ楽しく書いております。

 

 

最近、とある知人に対し、久しぶりに近況報告メールを送りました。すると、

 

「焼き芋君の文章面白いね。特に『ミルクセーキでジャグリングパーティ』というところがおかしくて何度も読み返しちゃった(笑)。ブログとか始めたら教えてね♡」

 

という返信が来ました。

 

――あ、言っときますけど、キャバクラ嬢とかじゃないですよ。男友達みたいな女友達です。

  

 ジブンの文章を褒められたことがなかったので、ちょっと鼻の穴が膨らみました。しかも、実際に今、自分、ブログをやっているじゃありませんか!そうなると、当然、こんなことを考えます。

 

ブログをやっていることを知人に伝えたい!

 

 

……でも、自分が普段考えていることが知人にばれるのも少し気が引けます。今のご時世、何があるかわかりませんからね。

 

……みなさんはどう思いますか?

 

 

 

 

 

 

回答者1

f:id:yakiimoboy:20160916212551p:plain

実際にブログをやっているものです。私はブログをやっていることをほかの人に教えたことがありません。

 

知人に教えると、ブログを書くときにどうしてもその人のことを意識してしまいますよね?それだと、自分が書きたい内容が書けなくなる可能性がありますよね?

 

記事内容に制限をつけないためにも、私は知人に教えないほうが良いと思います。

 

 

質問者

 

f:id:yakiimoboy:20160917111010p:plain

なるほど、参考になりました。やっぱり教えるのはやめようと思います。 

 

 

 

 

 

回答者2

f:id:yakiimoboy:20160916212546p:plain

 

私もブログをやっていますが、全然知人に教えています。別に知人にばれたからと言って、困るようなやましい記事を書いているんですか?そうじゃないでしょう?

 

世の中の多くの著名人たちも、自分の生活に関するブログやエッセイを書いていますし。せっかく面白がっている人がいるのならば、公開して後悔することはないかと思います。自分が頑張っている姿も知ってもらえるし、いいことづくめですよ。

 

 

質問者

f:id:yakiimoboy:20160917111010p:plain

 

たしかに、有名人さんって普通にブログとかエッセイとか出してますね。難しく考えすぎていたみたいです。せっかくなので知人に教えてみたいと思います。

 

 

回答者1

 

f:id:yakiimoboy:20160916212551p:plain

有名人がブログやエッセイを書いて公表するのと、素人が公表するのとでは少し意味が違うと思います。もしかしたら、知人さんが気まぐれにあなたのブログを勝手にほかの人に教えるかもしれません。それに、あなたのことを嫌になって、誹謗中傷のコメントを匿名で書いてくる可能性もありますよ?

人を信用しすぎるのは問題かと思います。傷つくのはあなたです。

 

 

 

質問者

 

f:id:yakiimoboy:20160917111010p:plain

た、確かにそうですね。そこまで考えが及びませんでした。やっぱり教えるのはもう少し考えたいと思います。

 

 

回答者2

f:id:yakiimoboy:20160916212546p:plain

 

たぶん、回答者1さんは、かなり内向的で卑屈な方なんですね。こんな考えを持つ人がいるなんて正直びっくりしました(笑)

 

知人さんがどういう人かわかりませんが、せっかく質問者さんの文章に興味を持ってくれているんです。知人さんを通じて、いろいろな人に質問者さんのブログを紹介してもらえるかもしれませんよ。もちろん、プラスの意味で。

 

回答者1様のいう通りにしていると、いつまでも心を閉じた人間になってしまうと思います。そろそろ心を開きませんか?

 

質問者

f:id:yakiimoboy:20160917111010p:plain

な、なるほど、言われてみればその通りかと――

 

 

回答者1

 

f:id:yakiimoboy:20160916212551p:plain

 

本当に相手の立場に立てるかどうかなんだと思います。仮にブログを教えたのに、知人さんが読まなかったら、質問者様はどう思うでしょうか?

 

「せっかく教えたんだから毎回ブログをチェックしてよ。……なんでチェックしてくれないの?」

 

ということになるかと思います。

それに、知人さんに負担をかけてしまうことになる可能性もありますよ?

 

知人さんだって忙しいでしょうから、あなたのブログを毎回チェックできるわけではないと思います。でも、一度教えてしまったら、必ずチェックしなきゃ、という義務が生じてしまう可能性があります。

 

知人さんも負担に感じるかもしれないし、質問者様も落ち着かないでしょう。

 

本当に知人さんと良い関係を続けていきたいなら、ブログを公開するのは控えたほうが良いかと思います。それが大人の対応というものです。

 

 

……最後に、回答者2さんですが、質問の内容に関係のない誹謗中傷をするほうがよっぽど卑屈な気がします。ご参考までに。

 

回答者2

f:id:yakiimoboy:20160916212546p:plain

 

なんか絡んでくる人がいるんですけど(笑)

理屈っぽいこといろいろ言うから、現実社会でも嫌われているんでしょうね(笑)

 

回答者1

f:id:yakiimoboy:20160916212551p:plain

あ?てめえ、調子乗るんじゃねーぞ。顔面ロマネスコが。

 

回答者2

f:id:yakiimoboy:20160916212546p:plain

うざい人がいるんですけど(笑)

 

 

回答者1

f:id:yakiimoboy:20160916212551p:plain

てめえ、絶対に殺す。夜道に気を漬けな。

 

回答者2

f:id:yakiimoboy:20160916212546p:plain

 

古っ(笑)それに「気を漬け」じゃなくて「気を付ける」ですよ。気をお漬物にしてどうするんですか(笑) 

 

 

 

f:id:yakiimoboy:20160917111010p:plain

 

……

 

――

 

とりあえず、回答者1と回答者2の間をとる。

 

 

 

 

 

 

 

実はブログ、もうやってるよ!興味があったらインターネットで探してオクレ。

 

 

 

とメールを送る。ブログをやっていることは教えるが、URLは教えない。まさに折衷案である。返信次第ではURLを教えてやろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後――

 

 

知人「見つけられるわけないじゃん!教えてよー」

 

「やっぱり恥ずかしいから教えない(笑)頑張ってさがせば10年後くらいに見つかるよ」

 

知人「ひどい!だったらブログやってるなんて言わないでよ!気になって眠れないじゃないの」

 

「あははごめんごめん。でも、別に俺のことなんて気にしなくてもいいだろ。世の中はもっと気にするべきことがあるはずです。例えば蚊取り線香がなぜ渦巻なのか?とか」

 

知人「蚊取り線香なんてどうでもいいのよ。……もっと焼き芋君のこと知りたいじゃん」

 

「なんでよ。別に俺のこと知っても何の得もないだろ」

 

知人「そんなことないよ……」

 

「え?」

 

知人「そんなことない、そんなことないよ!だって、私、焼き芋君のこと――」

 

「……え?」

 

 

f:id:yakiimoboy:20160917113741j:plain

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

という展開にはなるはずもない。

 

 

 

それどころか、最初のメールを送って以降、3日間、何の音沙汰も無し。 

 

 

 

 

 

「焼き芋君の文章面白いね。特に『ミルクセーキでジャグリングパーティ』というところがおかしくて何度も読み返しちゃった(笑)。ブログとか始めたら教えてね♡」

 

まに受ける馬鹿がいるんですよ~(笑)ってか。

 

 

ぴぃやぴぃや。この自問自答、何だったんだよ(苦笑)