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「まくら」営業、はじめました。

営業職の男です。「まくら」を極めて営業のタツジンになりたいのです。

クリスマスが今年もやってくる

 

 

クリスマスという名前自体に、不思議な力があるようだ。

チャールズ・ディケンズ

 

 

クリスマスの雰囲気をいくらか瓶に詰めておき、毎月ひとつずつ開けられたらいいのに。

 ハーラン・ミラー

 

 

 

土曜日。昼過ぎ。

地下鉄に乗り、大阪にある日本有数の某百貨店を訪れる。

 

 

 

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ぎゅうぎゅう状態の店内は、赤と緑と白の装飾で彩られ、クリスマスを想起する音楽が続けて流れる。売る側も客側も皆、クリスマスムードに包まれていた。

 

個人的には、クリスマス当日よりも、クリスマス1か月前~イヴ前のほうが浮足立った感じがして好きである。(この感じ、共感いただけると思っているのですが、いかがでしょう? )

 

 

百貨店に着くと、誘われるようにデパ地下食品コーナーへ。そして、クリスマス限定のデザートを見て回る。

 

 

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「あら、このケーキ、イチゴたっぷりでなんてかわいらしいの。……あ、このシュトーレン、バターたっぷりでいい香り。ーーあ、このカンノーロ、不思議な形してるわねええ」

 

興奮が止まらない。お菓子作りは初心者だが、それだけに職人たちの技術にほれぼれする。やっぱりデザートの世界は奥が深い。あ、食べるのはあんまり好きではないんだけどね(苦笑)

 

 

 

 ーー

 

ふいに時計を見る。すでに1時間以上も食品コーナーにいることに気が付く。

 

(……いかんいかん、こんなことしている場合ではない)

 

別に、暇を持て余してスイーツ鑑賞をしに来たわけではない。限られた時間の中、重要なミッションを遂行するために百貨店にやってきたのである。

 

重要なミッション、それは、

 

お付き合いしている女性に送るプレゼント探し

 

である。(焼いもの彼女なので、サトイモさんとでもしましょうか)

 

 

今年はクリスマスが連休となっているので、3日間、一緒に過ごす予定となっている。どのタイミングで渡すかは不明だが、とりあえずプレゼントはお互いに用意する流れとなっていた。

 

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……まあ、正直、プレゼント探しって、非常に面倒くさい。

 

「こっちもいらないから、そっちにも渡さなくていい?」

 

と言いたいところである。だがまあ、そういうわけにもいくまい。

 

特に今年は、仕事を言い訳にサトイモさんへの誕生日プレゼントも渡していなかったのだ。せめて年内最後の女性限定トキメキイベントであるクリスマスにプレゼントを送らないと、本当に愛想をつかされてしまうだろう。こんな私と付き合ってくれているという点において、奇跡的な女性なのである。付き合いも長いが、ちゃんと関係維持・向上に努める必要がある。

 

 

ちなみに、プレゼント選定に際し、サトイモさんにほしいものをそれとなく聞いてみたのだが、彼女いわく

 

「この年代(20代後半を指している?)の女性ならばみんなほしいもの!」

 

とのこと。……う~ん、わからん。

 

 わからなかったので、会社の同期(彼女以外で唯一、稀に連絡する女性)にメールで尋ねる。

 

う~ん、バックか財布かアクセサリーじゃない?そんなことより仕事つらくて死にたいよ~

 

……何の役にも立たない回答である(面白かったので書いてみる)。

 

 

でもまあ、20代ならそうなんだよなあ~って感じである。ともかく、何のプランも思いつかないまま、とりあえず百貨店に向かい、アクセサリー系をメインに探すことにしたのであった。 あんまり考えてもわからない世界だし、無駄に引き伸ばしてもしょうがないので、最低でもこの日のうちにプレゼント決めてしまうこと、を第1目標としていた。

 

―― 

 

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同じような製品が並ぶ各フロアでは、財布の紐が緩くなったお客をとらえるために激戦が繰り広げる。特に、クリスマスプレゼントの対象になりやすいジュエリーショップは一入であろう。普段は通ってもほとんど話しかけないくせに、各店員も私のようなイモ人間にも積極的に声をかけてくる。

 

 

一定の距離を保ちながら、 いろいろとジュエリーを見てみるが……。

 

 

 

(わからん……なぜこのようなものに大枚をはたくのか?)

 

 

ジュエリーの価値をほとんど理解できない。とりあえず、値段と品物をある程度決めないと、頭がパンクする。

 

 

候補として挙がったのが以下の通り。

・指輪

・ネックレス

・ピアス

 

指輪は気持ち的に少し重いし、ピアスは昨年度に送っているのでかぶってしまう。

 

 

 

――となると

 

 

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ガーネット社店員「ネックレスですね。承知いたしました。どのようなタイプをご検討で?」

 

「ええ、う~ん……悩ましいですね(苦笑)」

 

ガーネット社店員「いろいろなタイプがございますが――クリスマスプレゼントでしょうか?」

 

「そうですね。一応、彼女に、なんですけど」

 

ガーネット社店員「まあ、素敵!それじゃあ、クリスマスに彼女様にプレゼントされるんですね。素敵な夜景なども計画されているんでしょうか?」

 

「いいえ、そこまでは考えてないですね(笑)というか、なにもまだ考えてないですね。あははは」

 

ガーネット社店員「いいえ、プレゼントを考えてくれるって言うだけで素晴らしい彼氏様ですわ。ところで、ご予算はどの程度でご検討でしょうか?」

 

「ええ、まあ、これくらいですね(指で示す)」

 

ガーネット社店員「なるほどなるほど。よろしければいくつか選定させていただきますね」

 

「はあ、どうも」

 

 

というわけで、いろいろ商品を案内される。

 

ガーネット社店員「こちら、立体的なハートのモチーフが可愛らしい印象となります。当店限定モデルとなります。大切なときにお使いいただきたいネックレスでございます」

 

「はあ」

 

ガーネット社店員「こちら、シンプルに1石あしらわれたダイヤモンドと優雅なホワイトゴールドのコントラストが美しいネックレスでございます。いつまでもご愛用いただけるデザインです」

 

「ふむふむ(高いのと安いのとの違いが分かんね)」

 

 

ガーネット社店員「ちょっと私の首の方にあててみますね。こんな感じになります。ご覧ください。いかがでしょうか?」

 

「いいですね(体張ってるなあ。本当にいいと思います)」

 

ガーネット社店員「ありがとうございます。彼女様だともっと素敵に映ることでしょう(満面の笑み)」

 

「(ふふふ)――あ、ちなみに、ネックレスの写真を撮らせていただいてもよろしいですか?いくつか店舗を回りたいんですが、回っているとご紹介いただいた製品を忘れてしまうので」

 

ガーネット社店員「写真、ですか?もちろん大丈夫です。よろしければ商品の品番号と特徴を記したカードを手書きでお渡しさせていただきますわ」

  

「あ、それはありがたいです。ありがとうございます」

 

店員さんは慣れた様子で自身の名刺を取り出す。そして、裏に商品の品番とネックレスの絵を描きはじめる。

 

ガーネット社店員「はい、こちら失礼いたします」

 

「ありがとうございます。ところで、在庫はどの程度ありますか?」

 

ガーネット社店員「在庫ですか?少々お待ちください。ーーこちらの製品は在庫が残り1つとなりますね。お求めの際はお早めに。ほかの製品は各3つほどございますので問題ないですが……時期が時期ですので」

 

「わかりました。それではどうも失礼します」

 

ガーネット社店員 「またのお越しをお待ちしております」

 

 

というわけで、そのお店を離れる。

 

ーー

 

その後、近くにあるお店を数店舗訪れ、大して違いの分からないネックレスを数十個見て回った。

 

 

……気づけば約4時間ネックレス探しに時間を費やしていた。そして、精も根も尽き果てながら、ようやくネックレスを購入したのであった。渡すべきプレゼントを手にしたときは、得も言われぬ安堵感であった。

 

 

 

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ちなみに、訪れた各お店の店員さんに

 

「ネックレスなんて、一つあれば十分ですよね(笑)」

 

と聞くと、皆が口をそろえて

 

店員一同「いいえ、女性はアクセサリーをいくつも欲しいものですわ。もちろん、一つのものを大切にされる方もいらっしゃいますけど、基本的に複数あったほうが嬉しいと思いますわ。そこは男性と少し違うところですよね」

 

 

と諭された。店員は女性の立場として言ったのか、それとも売り文句で言ったのか――いまだ腑に落ちぬ回答なのであった。