「まくら」営業、はじめました。

営業職の男です。「まくら」を極めて営業のタツジンになりたいのです。

時間があるならカフェに行こう

 

 

あらゆる新しいものに対する最良の教養の場所はつねにカフェであった

シュテファン・ツヴァイク『昨日の世界』

 

 

金のある話より夢のある話をしよう コーヒーを飲みあいながら囲えるテーブルで 

夕べの悲しみは朝焼けに変わるだろう だから 今は何杯でもコーヒーに夢を注ぐ

熊木杏里『夢のある喫茶店』

 

 

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日曜日。

 

8時頃に起床。

 

頭が正常に働き始めたころにワイシャツにアイロンをかける。終わったら、コーヒーを飲みながら読書。

 

 

昼前にようやく読み終える。そして、今日やるべきことがなくなる。

 

(ぼんやりワイドショーを見て過ごすのはもったいないし……パンでも作ろうかしら、それとも軽くランニングしようかしら。いや、別の本を読む?うーん……)

 

いつもの休日プランを頭に浮かべる。しかし、今日はどれもぴんと来ない。

 

 

――

 

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家から歩いて10分ほどのコメダ珈琲

 

 

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(まあ、これはこれで代わり映えのしない休日だな笑)

 

などと思いながら、サンドイッチとコーヒーを頼む。そして、携帯でいろいろな人のブログを拝見させていただく。

 

 

 

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女子大生①「――じゃあ、次ね。貴女の長所と短所を教えてください」

 

女子大生②「はい。ええっと……私の長所は積極的な性格だと思います。この性格から、普段からできる限りいろいろなことを知ろうと大学のイベントに参加したり、複数の短期アルバイトを経験するなど、いろいろと視野を広げることができました。逆に短所ですが、自分の意見を強く主張できないところだと思います」

 

女子大生①「ストップストップ(笑)それってなんか矛盾してない?長所が積極的なのに、短所が消極的になってない?それじゃ通じないって(笑)」

 

女子大生②「だって……うち消極的だけど、それはダメだと思うから、積極的にいろいろ参加してるんだよ?」

 

女子大生①「努力はいいと思うけど(笑)じゃあ次ね。うちの会社で働いてもらったとして、デートの約束と急な仕事が重なってしまったとき、あなたはどちらを優先させますか?」

 

女子大生②「ちょっと、それ本当に書いてるの?」

 

女子大生①「書いてるって。ほら」

 

女子大生②「本当だ……はい。ええっと……ちょっと待って、いま、私彼氏いないからわかんないんだけど」

 

女子大生①「あ!それ一番言っちゃいけないやつ!見てほら、『この質問の意図は、急な仕事が入っても、プライベートと仕事を両方うまくこなせるどうかを見ています。彼氏や彼女がいるかどうかを尋ねている、と勘違いするのは一番間違った解釈です』って書いてる(笑)」

 

女子大生②「そんな質問するほうがおかしいでしょ。もういや……」

 

女子大生①「もっとメイクとかも気にしないとね――ねえ、これ見て。こういうメイクができたらいいんだよね。まあ、元が元だからしょうがないんだけどさあ」

 

女子大生②「ねえちょっと、この説明会チェックしてる!?」

 

女子大生①「え?知らない――なんだ、まだ予約前のやつじゃん。それより、このアプリ知ってる?写真撮ったらメイクのアドバイスしてくれるんだって!」

 

女子大生②「……ねえ、お店込んできたよ?そろそろ出たほうよくない?」

 

女子大生①「そうね。ちょっと、そんなあわてなくていいって(笑)……気遣いすぎ(笑)」

 

 

 

 

 

(……頑張れよ。メイクは親しみやすい感じにしな)

 

 

――

 

昼下がり。

 

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店員「こちらの席どうぞ」

 

男「あいよ。ほら、君は奥に座りな」

 

女「ありがとうございます」

 

店員「注文がお決まりになりましたらーー」

 

男「あ、もう決まってんだ。俺は『小倉ノワール』とアメリカン。あ、君は?」

 

女「えっと、それじゃあ、私はブレンドコーヒーで」

 

店員「は、かしこまりました」

 

男「あ、お兄ちゃん、これってイチゴのソースかかってんだろ?これかけないでもらっていい?」

 

店員「かしこまりました」

 

男「わるいね。俺酸っぱいのあんまり好きじゃないんだ」

 

女「ふふふ」

 

男「トイレ行ってくるね」

 

女「はい」

 

 

 

就活生が去った席に座ったのは、親しみやすいおっちゃん雰囲気の60代男性と、20代後半と思われる女性の2人組。2人がどういった関係なのか、私には知る由もない。ただ、親子でないことは第3者でもわかった。

 

 

――

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店員「こちら、『小倉ノワール』でございます。ブレンドと、アメリカン、失礼いたします」

 

男「あいよ。おおきに」

 

女「おいしそう――」

 

男「勝手に食べて」

 

女「はい、いただきます」

 

男「なんだか、外、曇ってきたなあ」

 

女「そうですね――あ、おいしい」

 

男「そう?好きなだけ食って」

 

女「はい(笑)」

 

しばらく小倉ノワールをつつきあう二人。少し落ち着くと、女性が口を開く。

 

女「……あの……仕事のこと……なんですけど」

 

男「――まあ、人生いろいろあるからな。本当、いろいろだよ。自分もいろいろあったから」

 

女「……」

 

男「……この席、ええなあ。落ち着くわ」

 

女「……はい」

 

男「……あれやな、雨、また降ってきたなあ」

 

女「はい」

 

男「うーん。そうやな」

 

女「……正直、今の仕事がつらいんです」

 

男「うん。そうか」

 

女「……私、仕事辞めたいんです。事務所の人間関係が辛くて。内勤業務だと、だれがだれに味方するとか、だれに気を遣わなければならないとかばっかりで……ちょっとつらいし、むなしいですよね

 

男「うーん、うんうん。そうなんだ。そうか」

 

女「……あ、ごめんなさい……こんな話」

 

男「ええよええよ。でも、まあ、それはなんとも言えんなあ……」

 

女「……ふふふ、そういえばそうですよね、会長に話すことじゃないですよね」

 

 

(……会長?)

 

私は、彼らの方を向きたい気持ちを抑えた。――男性の見えない力が、私にそれをさせなかったのである。

 

 

男「……いや、うーん。まあ、大変なんだね」

 

女「……ふふふ……(鼻をすする)」

 

男「……大丈夫?」

 

女「……ごめんなさい。あの、大丈夫ですから(笑)」

 

男「あ、ごめんね。ちょっと電話が。ちょっと出るわ」

 

女「あ、はい」

 

席を立つ男性。残された女性は、静かにコーヒーを飲む。そして、外に出て電話をしている男性の姿を見つめていた。(それを横目に見ている私)

 

 

――

 

男「ごめんね」

 

女「いえ。もう大丈夫です――雨、少しやみましたね」

 

男「霧っぽい感じだね……大丈夫?」

 

女「はい!ありがとうございます。……ふふふ(笑)ごめんなさい」

 

男「なにに謝ってるん(笑)……じゃあ、行こうか!」

 

 

 

彼らは去っていった。取り残された私。

 

――

 

 

(……俺も帰ろうかな。雨が本降りにならないうちに)

 

帰ろうと携帯をかばんに入れようとしたとき、また次のお客が隣の席に着く。

 

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店員「こちらの席にどうぞ」

 

女性①「はい」

 

女性②「――あ、また雨が降ってきたね」

 

(推定)アラサー女性が2人、また隣の席に座る。

 

女性①「シロノワール頼んじゃおっかな」

 

女性②「あ、じゃあ私も。飲み物はどうする?」

 

女性①「アイスココアとかいいね。でも、あったかいのがいいかな」

 

女性②「私、紅茶にしようかな。でもコメダ珈琲なのに紅茶っていうのもね(笑)」

 

女性①「コメダ珈琲なのにね(笑)」

 

 

 

彼女たちは、それぞれブレンドコーヒーとシロノワールを頼む。

 

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店員「こちら、シロノワールとブレンドコーヒーでございます」

 

店員が去ると、彼女たちは無言のまま写真を撮り始めた。

 

 

女性①「それで、どんな調子?」

 

女性②「あんまり集中してできてないね。まだレベル30だもん」

 

女性①「めっちゃやってんじゃん!さすがでございますね」

 

女性②「いや、もっと集中してやりたいの。でもなかなかね。課金どうしようか考え中」

 

女性①「課金って(笑)ちなみに先生はどれくらいしてるの?」

 

女性②「これくらい(笑)」

 

女性①「すご。私はそこまでの段階まで到達しませんから」

 

女性②「あんたは無駄な動きが多いでありますからね。効率よく■■しないとafafa限定のポーラスがカッパッパになります」

 

女性①「そうおっしゃいますが、gabuTAのゲースが崩壊したら★★じゃありませんか」

 

女性②「まだわかっておりませんね。ゲースの崩壊がその後wewewe現象につながるんです」

 

女性①「そういうことでありますか!」

 

 

(……)

 

――

 

(雨やまないけど、そろそろ帰ろうかな……)

 

最後のコーヒーを飲み終わり、帰る準備。――すると、

 

 

 

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店員「こちらのお席2つを合わせる形でよろしいでしょうか?」

 

男a「あ、大丈夫っす。ほら、ここ良いってよ!」

 

男b「あー疲れた疲れた」

 

女a「私、奥~」

 

女b「じゃあ、私ここにしよっと~」

 

男c「注文どうする!?マジ腹減った~」

 

男d「注文はお前にまかすとりあえず俺はコーヒーね」

 

女c「あ、私もおなかすいたー」

 

男4人、女3人の団体。いわゆる学生サークル風の雰囲気である。しかし、見かけから、大学生とは思えぬ微妙な老け込みも感じられた。

 

 

彼らが来たのをみて「まさに今帰るのがベストだな」と思ったのだが――。彼らのこんな会話が耳に入る。

 

 

男a「――そういえば、チョメチョメ先輩、会社辞めるってよ。知ってる?」

 

一同「まじ!?」

 

男a「うん。この前聞いた。仙台の実家に帰るんだって」

 

男c「あの飛び込み営業の神が!?」

 

女a「信じられない……」

 

男d「俺、なんか目標失ったわ……。まあ、飛び込みなんて真似したくないんだけどね。んで、理由は?」

 

男a「知らない。なんかいろいろあったみたいだけど」

 

女a「いろいろって?」

 

男a「……さあ。そこは教えてくれなかった」

 

女b「うち、知ってる」

 

一同「え?なんで?」

 

女b「なんでって……まあいいじゃん」

 

ワイワイワイワイワイワイワイ

 

 

 

 

 

 

ピンポーン

 

店員「はい。お待たせいたしました」

 

「あ、すみません、追加なんですけど、『小豆小町桜』をお願いします」

 

店員「かしこまりました。ありがとうございます」

 

 

 

 

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日曜日のコメダ珈琲は、いろんな人が足を運び、仲間とともにいろんなことを語り合う。

 

 

 

 

――なんだかとってもリラックスできた日曜日でした:->:->:->

 

 

 

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