「まくら」営業、はじめました。

営業職の男です。「まくら」を極めて営業のタツジンになりたいのです。

お灸をすえてほしいの……

 

 

 

健康は実に貴重なものである。これこそ人がその追求のために、単に時間のみならず、汗や労力や財宝をも、否、生命さえも捧げるに価する唯一のものである。
モンテーニュ 

 

 

健康な人には病気になる心配があるが病人には回復するという楽しみがある。

寺田寅彦

 

 

 

私は若い。まだ20代である。

 

私の年齢を聞いただけで、私という人間をうらやむ人も多いことだろう。いかに高齢者が元気な時代といえど、20代のエネルギッシュっさには全くもってかなわないからである。

実に当たり前だが、身体のどこにも気がかりなところなんてない。皆さんは五臓六腑への負荷や、骨量や筋肉量などが気になるのだろうが、私にはまったく関係のないことである。言うまでもなく、常備薬など1つもない(皆さんは2,3種類のものをお持ちでしょう?)。カロリーや糖質・脂質の摂取量を計算しながらの食事?実に馬鹿らしい、好きなものを好きなだけ食えばいいじゃない。今日も酒とパスタとお好み焼きと白飯をテーブルに並べて食事をしようかしらん。

 

まさに、最高の健康優良児である(そしてイケメンである)。若さは、それだけですばらしい。それだけで、すべてを凌駕する価値があるのだ。

 

 

 

――ところで、人生の先輩に問いたい。

 

 

自分はもう、若くないんだな

 

 

こんな言葉を自分自身に本気で向けたのは、いったいいつ頃のだろう?具体的なタイミングは人それぞれだろう。ひょんなつまずきで何気なく思う人もいれば、大きな病を患ってから深く思う人もいるだろう。

 

 

私の場合は、2017年夏のタイミングで、このことを思うのだった。

 

 

 

 

月曜日。朝。

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「ぜんぜんツライじゃん……」 

 

朝起きて、頭の状況を確認し、やはり鈍痛を感じる。

 

 

少し前から、頭痛を感じていた。土日は休息に努めていたのだが、月曜日になっても頭痛がまったく治らない。

 

頭痛の原因は明白ではないが、

 

肩コリからくる頭痛 

 

というのはなんとなく予想がついていた。

 

 

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肩コリがひどくなると、頭痛につながることがあるというは聞いていたからである。そして、ここ最近肩コリが殊にひどいのだ。

 

今朝起きると、頭痛だけではなく、歯の痛みも感じる。なんだか奥歯に違和感がある感じ。歯と歯の間に鉛の塊でも挟み込まれている感じ……苦痛である。

 

(肩コリに頭痛、そして歯痛まで広がっちまった……大丈夫なのかオレ……。もしかしてヤバい病気なんじゃ――) 

 

 

身体が動かせなくなるほど重篤な状態ではない。だから、会社にはいく。でも、心の不安は増すばかりであった。 

 

 とりあえず、肩コリ用に買っていた湿布を肩に貼り、会社に行く。

  

 

――

 

オフィス。

 

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「あ、ナタデココさん、すみません。これ、〇〇社用の見積書です。ご確認お願いします」

 

ナタデココ「あ、はーい……って、大丈夫?肩揉んで。疲れたサラリーマンみたいだよ」

 

ナタデココさんは、わが部署の事務職の女性である。私よりも20個くらい上の方だが、見かけは(若いという意味で)年齢不詳人物。見知らぬ年下にため口で話された後、実は相手が年下だった、というのをたくさん経験してそうな人である。

 

 

ナタデココ「肩こってんの?」

 

「……そうなんですよ。肩コリがひどくて。少し前までマシュマロみたいな肩だといわれていたんですが」

 

ナタデココ「何キモイこと言ってんの」

 

「本気で思うんですが、今だれか女性に肩をもんでもらったら、相手が誰であれ恋に落ちる気がします」

 

ナタデココ「何キモイこと言ってんの」

 

「実際、人が人に恋をするのなんて、そんなきっかけでいいんじゃないですか?心が少し痛んでいる人に優しい言葉一言、なんとなく寂しい気持ちの人に電話1回、肩が凝っている人に肩もみ10モミで充分です……嗚呼つらい…肩コリだけでなく、頭痛にもつながっているような感じで……なんだか頭が重いです」

 

ナタデココ「ああ。典型的なやつね」

 

「あ、やっぱりそうなんですか?」

 

ナタデココ「もしかして歯とかも痛くなってるんじゃないの?」

 

「!?そうなんですよ。なんだか下の歯が痛くなってつらいんです。もしかしてこれも肩コリに関係しているんですか?」

 

ナタデココ「みたいよ。私も肩コリがひどいから、昔は頭痛や歯痛があったんだけどね。でも、今はそれすらも感じなくなっちゃったわよ(笑)」

 

「え」

 

すると、べつの事務職の女性のブラッドオレンジさんが

 

ブラッドオレンジ「ひどい人はそうなるみたいね。慢性化ってやつ?私も肩コリひどいから薬飲んだり整体に行ったりするんだけど」

 

ナタデココ「そうそう!整体たまに行くと気持ちいいのよね。終わった後に『すごいこってますね』って言われるのはもう慣れっこ慣れっこ」

 

と、肩コリ話で盛り上がるお二方。

 

「まだまだ私は肩コリ入門レベルですね。今も湿布貼ってるんですけど、頭痛と歯痛が気になってしまって。これは湿布じゃどうしようもないですが」

 

ブラッドオレンジ「あ、じゃあ、ロキソ〇ンあげようか?一次的だけど肩コリと頭痛と歯痛全部に効くと思うよ」

 

「え、そうなんですか?〇キソニンって、そんな万能薬だったんですか?」

 

ブラッドオレンジ「効き目は人によるだろうけどね(笑)はい、とりあえず2錠」

 

と、ブラッドオレンジさんは机から〇キソニンを2錠取り出し、私に差し出してくれる。

 

「あ、ありがとうございます……でも、これもらって、ブラッドオレンジさんは困りませんか?」

 

ブラッドオレンジ「大丈夫大丈夫。ほら、これだけ常備薬として持っているから」

 

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といって、いろいろなタイプの薬が入った袋を見せてくれる。

 

「あ、なるほど。でも、なんでそんなにたくさん」

 

ナタデココ「まだ若いからわからないだろうけど、薬はどんどん増えていくのよ(笑)それも個性だから」

 

「……なるほど。勉強になりました。とりあえず、このロキソニ〇と湿布で痛みに対応したいと思います」

 

ナタデココ「湿布貼り替えるときは手伝おうか?」

 

「い、いえ、それは大丈夫です!」 

 

と、激しく抵抗する私(ドウテイか!と、自分で自分につっこんだ)。

 

 

ロキソ〇ン服用後少ししたら、確かに肩コリと歯痛は引いたのであった。人生の先輩の経験というのは学ぶところがまだまだある、と改めて実感。

 

 

 

〇土曜日

人生で初めてマッサージに行く。

 

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(イメージ) 

 

整体師「大分凝ってますね」

 

「やっぱりですか――もう若くないですね……」

 

整体師「は」

 

 

と、少し落ち込んだそぶりを見せたが、心の中では、何か大人になったなあ、と思ったのであった。

 

 

こんなのはほんの序章で、こんな感じで体にどんどんガタが生じてくるんだよなあ、と思われる。しかし、薬がハッキリと効いたと感じる喜び、マッサージのような至福のサービスを味わえるのも、これまた新たな楽しみ何だろうなあ、と、今は気楽にとらえます。

 

 

整体の帰り道、ドラッグストアでシップとお灸を購入。

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冒頭、調子に乗ったことを書き散らして失礼いたしました。調子に乗った自分に、文字通りお灸をすえて、今日はお・し・ま・い。

(ナタデココさんの「何キモイこと言ってんの」という声が聞こえる)