「まくら」営業、はじめました。

営業職の男です。「まくら」を極めて営業のタツジンになりたいのです。

父の愛したコース(田沢湖マラソン前半)

 

 

走るため、走り出すためには、どんな理由であってもかまわない。少なくとも、そう考える方が心地よい。すなわち、どんな理由であっても、走ることは、人間の内部に隠れていて見えなかったエネルギーの爆発である。そのエネルギーは人によってはとても微弱のように見えながら、間違いなく過剰なものだ。そしてその爆発は、悪いものであるどころか、大変に美しい。それは人間が人間であるということなのだから。

原章二『マラソン100回の知恵』より 

 

 

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ここ最近、会社内で私が

 

マラソン好き

 

ということになっている。

 

 

……いっておくが、別に自分で「マラソンが大好きなんですわー」と言いふらしているわけではない。ただ、お昼の休憩中、一度事務職の先輩と雑談程度にこんな会話をしただけ。

 

先輩「焼いも君は土日は何してんの?」

 

「土日ですか?……特にすることもないんで、走ったりしてますかね」

 

先輩「走ってんの?見かけによらないね(笑)」

 

「別に、そこまで本格的に走ってないですからね」

 

先輩「大会とか出るの?」

 

「そうですね、何回か気まぐれでマラソン大会に出てますかね」

 

先輩「大会って、何km?」

 

「まあ……たまにフルとかですかね。本当に、たまにですよ」

 

先輩「フル!?すごいじゃん」

 

「い、いえ別に全然……、本当に大したことないので……ちゃんとやっている人に失礼なレベルです」

 

先輩「ふーん」

 

 という感じ。だが、こんな会話を会社でたくさんのつながりを持つ人とすると、あっという間に広がってしまうものである。そして、うちの会社の場合、この会話をした人がソレにあたる。

 

 

知らぬうちに、会社であまり話さない人からも

 

「よっ、フルマラソン君」

 

だの

 

「次の大会はいつなの?」

 

だの、

 

「実業団に所属してるんだって?すごいねえ」

 

だの、あたかも体育会系の扱いを受けてしまっているわけである(実物はただのウラナリである)。

 

フルマラソンを大会で走ったといっても、普段は土日にちょこっと走っているだけである。それに、タイムだって、最近かろうじて4時間を切れるようになったレベルである。無論、実業団に所属なんてしているわけもない(誰だそんなこと言ったやつは)。毎日綿密且つコツコツ練習をこなしているベテランランナーからすれば、この程度で「ランナー」を気取られるのは苦笑以外の何物でもない。(嗚呼、恥ずかしや)

 

私自身、別に運動が得意なわけでない。むしろ大の苦手である。苦手な割に、小・中・高・大と、すべて運動部に所属していた。だが、どの部活でもいい結果を残すことはできず、まあ、ほぼすべて補欠要員であった。本当は運動部よりも吹奏楽部に入って音楽をやりたかったのだが、いろいろ事情があって運動部に入らざるを得なかったのである。本当は吹奏楽部に入って、今頃は世界的なトランぺッターになる予定だったのだが(トランペットなめんな、という声が今聞こえました)。

  

 

ただ、運動は苦手だったものの、この年になるまでちょこちょこ走ってはいた。走ることだけは、幼少のころから細い糸を伸ばしたように脈々と受け継がれ、今に至るまで続いている数少ない習慣となっている。だから、今もその習慣に従って走っているだけなのだと思っている。

 

では、なぜ生来の運動嫌いにもかかわらず、私は幼少の頃から走っていたのだろう? 

この疑問については明確な答えがある。それは、父の影響である。

 

 

 

 

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私の父はマラソンが好きだった。40歳中ごろからマラソンをはじめた父は、一気にのめりこんだ。何度もフルマラソンに出場し、時にはホノルルまで走りに行っていた。父の部屋には、これまで参加した大会でつけていたゼッケンが壁にびっしり貼り付けられていた。(60歳を過ぎて走ることをやめてからはすべて外してしまったが。)

 

幼いころ、よく父の早朝ジョギングに家族で付き合っていた。運動嫌いの私にはかなり苦痛だったろうが、走り終えた後のポカリスエット三ツ矢サイダーがおいしかったから、たぶん付き合うことができたんだと思う。

 

 

 

ところで、私が記憶する中で、私自身が初めて走ることに「真剣」に取り組んだのは、今から約20年前のある大会である。それは、秋田県で毎年行われている

 

 

田沢湖マラソン

 

 

である。

 

 

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田沢湖(たざわこ)は、秋田県仙北市にある淡水湖。一級河川雄物川水系に属する。日本で最も深い湖であり、国内で19番目に広い湖沼である。その全域が田沢湖抱返り県立自然公園に指定されており、日本百景にも選ばれている景勝地である。

Wikipediaより

 

日本で最も深い湖である田沢湖。そして、その田沢湖を中心として行われるのが「田沢湖マラソン」である。

 

 

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マラソン好きな父が何度も繰り返し挑んで走ったのが田沢湖マラソンだった。東北の田舎にある我が家にとって、田沢湖マラソンは、近くで行われる数少ないフルマラソン大会だったのである。(それでも、結構離れているんだけどね)

 

この大会、私も何度か母と一緒にペアマラソン(3km)で参加した。この時のことは、おぼろげながら覚えている。当日、早朝から父が運転する車に乗り、会場に向かった。それが当時は大旅行で楽しかった。

 父はフルマラソンを走り、その帰りを待つ間、私と母で3㎞走っていたのである。振り返ってみると、運動嫌いな私が3㎞も走るのはとてもつらかったと思うが、どういうわけか、走り終わった後の豚汁がおいしかったことしか覚えていない。食べ物の記憶の部分はよく覚えている。本当に、食は記憶を保持する重要なツールである。

 

ちなみに、両親の寝室には、ペアマラソンで走った時の写真が今も飾っている。きっと両親にとっても思い出になっているのだろう。

 

 

ーーともかく、田沢湖マラソンは、私にとって初めて本格的に走った経験だし、少なからず、今のランニング趣味に影響を与えていると思っている。

 

 

さて、なぜこんなことをダラダラ書いたのかというと、実は、今年9月17日(日)、そんな大事な思い出の田沢湖マラソンに参加してきたからである。……前置きが実に長いですね(笑)

 

 

田沢湖マラソン、今年で第32回目となる、伝統的なマラソン大会である。そして、私が参加したのは、やっぱりフルマラソン。

 

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(コース)

 

概要

開催日:9月17日(日)10:00~

参加定員:1,600人

参加料:4,500円

制限時間:5時間

 

はじめ20㎞までは街中をぐるぐる回る。その後、田沢湖周辺を1周(約20㎞)してゴールする流れ。

 

 

父が何度も挑戦したこのコースに、私も今年挑戦することになった。田沢湖マラソンが今も続いていることに、心から感謝したい。

 

 

 

……走る理由?まあ、気まぐれですね(笑)

  

 ――

 

前日の土曜日の朝、飛行機で実家に帰省。その日は実家に泊まり、翌日曜日の明朝、車で田沢湖に向かうことにした。実家の両親も応援ということで一緒に向かうこととなった。

 

 

私のマラソンの原点である田沢湖マラソン――前置きが長くなりすぎたので、内容は後半に続く。