ギザ十な日々

2人の息子と妻との日々を書いています。

切る人が切れば、見る人が見れば

 

人は己を美しくして初めて美に近づく権利が生まれる。

岡倉天心

 

 

 

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約2か月前。

 

「うしろはこんな感じになります」

 

「はい、大丈夫です」

 

「何かつけます?」

 

「いや、大丈夫です」

 

「お疲れ様でした~」

 

「ありがとうございます」

 

「ありがとうございました~、はい、お待ちの大麦さん、どうぞ~」

 

私の散髪を終えた理容師は、すぐに次のお客を相手に接客を開始。

 

家から歩いて5分のところにある理髪店。スピードも速く、料金もお手頃。出来も申し分ない。普段は5万円/回の美容院に行っていたが、今後はこの店を愛用させていただこう。

 

 

 

 

その数日後、ツレと会うと――

 

「あれ、髪切った?」

 

「うん、まあね」

 

「――」

 

「……なに?」

 

「今回は床屋だったんだ」

 

「……え?」

 

「違う?」

 

「違わない。……なんで、わかるの?」

 

「やっぱりね(笑)だと思った」

 

「本当にわかったの?」

 

「そりゃわかるわよ」

 

「……超能力者?俺全然わからないんだけど」

 

「本当に分かんないの?」

 

「どこを見て思ったわけ?」

 

「教えないよ(笑)」

 

 

残念ながら、私はおしゃれのセンスを一切持ち合わせていない。正直、髪を見てもその人が美容院を使ったか床屋を使ったかなんて、まるで検討がつかない。

 

……しかし、見る人から見れば、散髪後をみただけで、床屋に行ったか美容院に行ったかがわかるものなのだろうか?ツレは結構外見に気を遣っている人なので、特別に分かったのかもしれない。しかし、もしも普段会う人も、ツレと同様、美容院で切った場合と理髪店で切った場合との見極めがつくとしたら……それは結構怖い話である。

 

男のくせにそんなこといちいちに気にすんな!男は内面勝負じゃ

 

と思う一方、

 

わかんないけど、次は美容院に行った方がいいかなあ……

 

なんて思ってもしまう。うーん、難しい年ごろなのね。

 

 

――

 

そんなこんなで、今日。

 

 

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前回理容店に行ってから約2か月がたち、再び髪がびよびよと伸びたことを感じる。朝に鏡を見て、なんとなく

 

……うーん伸びたなあ

 

と思いながら、頭をシャカシャカする。

 

(ソロソロ、切るか。)

 

そんなあいまいな基準で、仕事終わりに髪を切りに行くことにした。今日は仕事が忙しかったので、予約は21時すぎでも受け付けてくれるところを探す。もちろん、時間帯以外の条件として、

 

美容院であること

 

を設定。

 

 

――

 

21時、仕事終わりに予約した美容院へ。

 

髪を切ってくれたのは20代の女性。気さくな雰囲気の方。

 

「仕事終わりですか?サラリーマン大変ですね~」

 

とか

 

「手元にクッション置いてください。このクッション、人気なんですよ~」

 

とか

 

「後ろ髪がすごい癖が強いので、この部分は思い切ってばっくり切りますね!」

 

といったような言葉が印象的だった。

 

 

――

 

約30分で散髪終了。

 


「うしろはこんな感じになります」

 

「はい、大丈夫です」

 

「何かつけます?」

 

「いや、大丈夫です」

 

「お疲れ様でした~」

 

「ありがとうございます」

 

出来をあらためて見る。

 

 

 

……正直2か月前に理容店で切ってもらったときとどう違うのか、私にはあまりわからなかった。まあ、自分にはわからなくても、わかる人にはわかる……のだろうか。

 

次にツレにあった時、今の私の頭はちゃんと美容院に切ってもらった、ってわかるのかしら。

 

 

……なんとなく「あ、今回は美容院で切ったんだ」って言いそうな気がする。これはわかる気がする。何でかはわからないけど…何でだろうね。

 

 

 

 

そんな月曜日でした。――さて、明日も頑張ろう。