これがジオパークだ!(第5回 香住・ジオパークフルマラソン 後半)
ジオパークって?
ジオ「(geo)」は、地球や大地という意味の接頭語で、ジオパークとは、科学的に見て特別に重要で貴重な、あるいは美しい地質遺産を含む一種の自然公園です。 地質や地形は、地球の歴史を物語っているだけでなく、人の暮らしや文化に直接結びついています。この大地の営みをひとつの遺産として学び、楽しむのがジオパークです。
山陰海岸ジオパークHPより
2018年4月28日(土)。
この前に記した通り、香住の民宿に宿泊。それは、この日催される香住ジオパークマラソンに参加するため。
5時半に起床。6時半に民宿が出してくれた朝食をいただき、7時半に会場となる香住漁港へで向かう。なお、香住漁港までは、民宿の方のご厚意で車で送っていただいた。何から何までお世話になりました。ありがとうございます!
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さて、車で5分ちょいで会場に到着。
(朝、無風状態であったことを旗たちが教えてくれる)
会場に到着すると、すでにランナーが集まっている。私自身の興奮も高まる。
気温:朝一で18度くらい?これが昼にかけて23度くらいまで上昇していく。
湿度:快適
風:朝はなかったが、開始とともに少しずつ強くなる。それでも、ランニングにはほぼ影響なし。
天気は快晴。半袖短パンでも寒さを感じないくらい、心地よい天候であった。
着替えを済ませ、荷物を預ける。そして、8時半くらいに最終トイレへ。
余談だが、このトイレが見事であった。
それは、ランナーがトイレを使うたびに水道ホースでトイレを逐一掃除する奥方たちがいたからである。マラソン大会のトイレがあまり衛生的ではないのはお決まりだが、この大会ではピカピカであった。そういった細かいところまでランナーに配慮してくれていたのは感動ものであった。
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さて、準備はこれ以上ないくらい万端。これも、金曜日に有休を取ったことが大きい。我が選択はまったくもって間違いではなかったわけである!(いつまで気にしてる)
ところで、今回参加した香住ジオパークマラソンは、事前情報として2つの特徴があるように思えた。
①コースから見える 景色が最高!
②高低差がえげつない
①は特に楽しみなところ。是非ともその景色を楽しみながら走りたいものである。一方で、気になるのが②の高低差。
コースマップをみると、こんな感じ。ちょっと見えづらいけど、下の緑色のやつ。
前半。
後半。
実際にどのくらい高低差があるのか、他のマラソン大会と比較したわけではないからよくわからない。
少ない経験から考えてみると、私が愛する秋田の大会である「田沢湖マラソン」は、高低差が92mあった。……あれは相当に地獄だった。大げさではなく脚が固まった。そして、翌日はこれまでにない筋肉痛だった。
あれほどではないにしても、高低差80mがかなりキツイことは想像できる。
さらに、アップダウンの回数が非常に多い。田沢湖マラソンは極端にきつい高低差があったが、回数という点で言えば、香住ジオパークマラソンの方が頻度が多い。やはり、癖の強いコースということになるんだろう。
ともかく、できる限り最初はとばさず、後半にスタミナを残すことを事前に心がけた。
さて、9時に予定通りスタート!
○スタート〜10km。
スタート早々、ふくらはぎのあたりが少し張ったような感覚がする。これからアップダウンが何度も訪れるというのに、幸先の悪いスタートである。
スタートしてすぐに海岸沿いコースに突入。
あたりのランナーを見ると、スマホを片手に、走りながら写真を撮る人が結構いることに気づく。なかには、わざわざ立ち止まって記念撮影をする人も。
(まあ、こういう楽しみ方もありだよな。)
と思うくらい、海岸は絶景だった。
どう絶景だったのかって、写真を載せて説明したいところだけど、写真を撮ってないので割愛。文章では伝えきれない美しさが、そこにあった(気になる方は他の方のブログ見るか、来年走ってください)。
○11〜20km。
ふくらはぎの張りは、走るにつれて緩和していった。ただ、別の問題で苦しむことになる。それは、
スタートからペースが思うように定まらない
ことであった。
高低差が激しいため、どうしてもノボリでペースが落ち、クダリで一気にペースが上がってしまうのである。できる限りイーブンペースに努めるのだが、そうするとノボリの時に一気にきつくなる。そして、ノボリのタイミングではかなり息がアガッテしまった。
(脚の筋肉もスタミナも、これじゃ最後まで持たんぜ・・・・・・)
とゼハゼハしながら思っていると、15kmあたりで視界に大きな集団が目に入る。
おなじみの4時間ペースランナーである。その周りを多くのランナーが取り囲む。
(思いのほか早い段階で4時間ペースランナーに追いついたな。・・・・・・さて、どうしようか)
このまま4時間ペースランナーを追い越すか、この団体にくっついていくかーー少し考えたが、すぐに結論が出る。私は集団を追い抜き、再び始まる大きなアップダウンに向かった。
(気合を入れていこう。全ては走りおわった後のカニのために!)
開始してからおおよそ2時間。時間の経過とともに気温はどんどん上昇していく。エンドで配ってくれていた氷と水で体を冷やす。また、スタミナ維持のために、いつもはあまり食べない給食のバナナにもこまめに手を伸ばす。
そんなこんなで、後半戦に突入。
○20〜30km。
男性「がんばれがんばれ!もうすぐ折り返しだ!」
「ありがとうございます!」
男の子「がんばれー」
「ありがとう!」
女の子3人組「(遠くから)せーの、がんばってくださーい!」
「ありがとー!」
女性「がんばって下さい!」
「ありがとうございます!(君のために頑張るからね)」
私設エイドの方々「がんばってくださーい。焼肉にビールもあるよ!エネルギー補給してって〜!」
「・・・・・・あはは(食えるか!笑)」
高校生「がんばってください!」
「ありがとう!パチン(ハイタッチ)」
おばあちゃん「ほらがんばれがんばれ〜」
「ありがとうございます!」
本当に声援が途絶えない。都市部で催されるような大会と比較すると、応援してくれる沿道の人数は決して多くはない。それでも、一人一人の応援が、なんというか、非常に力強い。そして、とても心地よかった。
感謝の気持ちはもちろんだが、疲れた自分を鼓舞するために、できる限りお礼を返す。これは効果絶大で、おかげで気持ちを維持できた。
もちろん、山の奥の方に入ると、住民がいないところも出てくる。だが、その時は、海岸から聞こえる波の音や、潮風で揺れる木々の音が私を励ましてくれる。
香住に関わる全てのヒトと自然が一つになり、私というちっぽけな男の背中を力強く押してくれているように思えた。
(あ、ジオパークってこういうことか…?俺は今、ジオパークを精一杯楽しんでるんだ!ジオパーク!ジオパーク!)
と、妙な興奮を感じながら走り続ける。
○30km〜ラスト
30km地点に控える最後の高低差。それでも、前述の声援と香住の自然に力を借りて走り続ける。
余談だが、先をいって折り返してきた「 3時間30分ペースメーカー」の方からも
「ファイトファイト!」
と熱い声援をいただく。あの姿、本当にカッコよかった。いつかあなたの近くで走りたいものです。
最後まで歩くこともなく、そして、極端にペースを落とすこともなく、ゴールに向かい--
無事, ゴールイン!
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ゴール後は、高校生らしき青年に計測チップを外してもらう。いつもならばヘロヘロになって更衣場所に向かうか、邪魔にならないところで寝そべってしまうところ。
だが、本大会ではゴール近くにイスとコールドスプレーと氷が置いてあり、そこで休憩とケアができるようになっていた。最後まで何という気配りぶりだろう。ゆっくりアイシングしながら己の足をいたわる。こんなの初めてであった。
完走証を受け取るときにも、元気な中学生?たちがランナーを元気に迎える。「こっちです!こっちです!こっちです!」と、思わず笑ってしまうほどに元気であった笑
その後は手荷物を受け取る。その手荷物受取の中学生?たちも元気に対応。
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クタクタになりながら、完走賞品を受け取る。(これまた豪華。これについてはまた後日)
そして、ランナー全員に配られたのがこちら。
カニ半身にカニ雑炊にサザエにバナナ。まったく、なんという豪華な食事であろう!これを港から見える海岸を眺めながら食べられる贅沢さよ。ジオパーーク!
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本当に、この香住ジオパークマラソンは、町全体でサポートしてくれているのだと感じたのであった。芸能人や有名ランナーはいないけど、この大会には多分必要ないですね。
全てにおいてとても大満足なマラソン大会であった。来年の参加は必至ですね!今のうちに有休申請しとこ。
あ、ちなみにタイムですが、
3時間43分くらい
でした。一応、自己ベストを2分弱更新!このコースで自己ベスト更新できたんだもの、次はもっといける…カニ?
以上、やっぱりマラソンっていいなあ、ってあらためて思える大会でした。まだまだマラソンは奥深い!
おしまい。