ギザ十な日々

2人の息子と妻との日々を書いています。

一生忘れないだろう、胃カメラ

 
金曜日。夕刻。
 
 
 
前回記したとおり、謎の腹の痛みを解決すべく、私はフラフラの状態で
再び消化器内科に訪れた。
 
 
医師「まだ治らない?食欲も?ほんまに?」
 
「…ほんまに」
 
医師「通常の胃炎程度であれば処方した薬を飲めば数日で楽になるもんだけど」
 
「そうらしいですね(前にあなたが言ってました)」
 
医師「とりあえず熱を測ってみるか」
 
ということで体温計。
 
ピピピッ
 
医師「37.0℃。・・・・・・微熱やなあ。じゃあ、ちょっとエコー検査してみるか」
 
ということで、簡易ベットに横になり、エコー検査(超音波で体内の各部位をのぞく検査。妊婦さんがよく使われているやつ)をおこなう。
 
医師「どや、体の中見るの初めてやろ」
 
「は、はい(おお、これが俺の体・・・・・・)」
 
約10分各臓器をチェック。
 
医師「ーーどこにも問題なさそうやなあ。健康的や」
 
「ありがとうございます」
 
医師「・・・・・・となるとやっぱり胃か食道ってことになるんかなあ」
 
 
エコー検査では器官内部の損傷はみれないらしい。医師は少し考えた様子。そして
 
医師「今日、何にも食べてへんのやな?」
 
「はい。ポカリスエットくらいです(ついでに昨日もね)」
 
医師「じゃあ、やってみるか。胃カメラ
 
胃カメラーーお願いします」
 
 
少しでも症状を正確に把握したい。その一心だけであった。胃カメラというものがどういうものなのか全く理解していなかったのは、私の大きな問題であったが。
 
医師「じゃあ、準備進めるわ。ちょっと胃カメラ準備してー。じゃあ、君は別室へ」
 
 
ーー
 
看護師に案内され、胃カメラ室と書かれた部屋へ移動。
 
再び簡易ベッドに横たわる。そして
 
看護師「こちらを6分ほど口に含んで留めておいてください。こちらが喉の麻酔になります」
 
看護師から謎のゲル状の液体を進められる。私はそれを口に含み、仰向けの状態で麻酔が効いてくるのを待つ。
 
 
 
ーー
 
6分経過し、その液体を洗面台に出す。その後、看護師さんに誘導されるように体を横向きにさせる。そして、渡されたマウスピースを口につけられた後
 
看護師「はい、では先生が来るまでもう少々お待ちください。見れるようなら、目の前の映像で体の中を見れますからね」
 
と言われる。
 
 
 

 
 
先生が現れ、胃カメラを私の口から入れ始める。
 
 
 
さて、ここら辺から詳細をどう書いたらいいのだろう。医学知識は全くないのでどうしたものかーーとりあえず胃カメラを受けた側の記憶だけで書いてみよう。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
 
 
 
医師「さあ、今のどの奥の方に入っていくからね」
 
 
ゔぁああ、ゔぁああああああああああ、っっっっゔぁああああああああああああああああああ
 
看護師「呼吸を楽にしてください!ゆっっくり息を吸って吐いた方が楽ですよ」
 
 
ガアバあああああああすっすうすすすすばあばああああああああああああああ
 
医師「はい、一回落ち着いて。今から中に入っていくで」
 
 
ぐばあばばばあああああああああああああ
 
医師「お、おっなんやこれは!?こんなん初めて見た」
 
ばばばばっばばばばばばばばばばばっばああああああああああごっっごごっごごごご
 
医師「これは大変だあ。すごいなあ。ちょっと組織とっとくから、ワイヤーもってきて」
 
看護師「はい!」
 
 
ひいひひひいいひひひひひひひひひいいいいいいひひはあひあひあひあひひあはえひえ
 
医師「これはすごいわ。ーーああ、胃の方は正常かあ。念のため十二指腸まで見てみとこか」
 
 
ズボボボ(胃カメラを奥に進める)
 
 
バガアバガアバガアバガアバぶっふぁふぁふ
 
 
ーー
 
胃カメラを入れて約10分後、胃カメラが体内から引っこ抜かれる。枕元は私の涙と鼻水とよだれでグシャグシャになっていた。それを看護師さんが拭く。
 
「ひい、ひい、ひい、ひい」
 
終わった後も、あまりの辛さにしばらく涙が止まらなかった。そして、私という個体からこんな恐ろしい音が出るのか、と驚愕したくらい、恐ろしい断末魔が発せられた。例えようのない、あれはまさに断末魔である。あとはまあ、私に取り憑いた悪霊が除霊される時にはあんな音が出そうだ。
 
かなり大きい音だったと思うので、クリニック内もびっくりしたことだろう。
 
 
さて、こんだけ苦労して判明した私の病状だがーー。
 
 
医師「なんやろね。こんなん、ほんま見たことないわあ。本当に、いままでいろんな患者見てきたが、こんなのは正直初めてやわ!」
 
「……ああ、そりゃどうも」
 
医師「どうしようかな、これ、学会で発表してみようかなあ。『マラソンしすぎに伴う特殊な潰瘍例』ってかな感じかな」
 
 
妙に興奮している様子の医師。
 
「・・・あの、ちなみに診断名は?」
 
医師「せやなあ、こんな場所に潰瘍ができるのもかなり珍しいし、さらにいえばこんな形で潰瘍ができるのも珍しいんよね」
 
「はあ」
 
医師「『マラソン潰瘍』かなあアハハ。そんな症例がスポーツ医学でよくあるのか調べて見るけどね。とりあえずは『食道炎のひどいやつ』やな」
 
 

(ここら辺が激しく荒れている感じです。写真もあるんですが、グロテスクなので…)
 
 
医師「しかしまあ、これは辛かったなあ。ご飯も喉を通らんのもわかるわ。唐揚げなんか食ったら食道裂けるで。まずは薬もっと強いやつだしとかなあかんな。粘膜保護するやつも加えておくわ」
 
「・・・あの、どれくらいで治りそうでしょうか?」
 
医師「せやなあ。2週間、いや3週間はみておいたほうがええな」
 
 
……愕然。
 
 
「あの、お酒は?」
 
医師「あかんに決まってるやろ。食道いじめてどうすん」
 
「・・・・・・涙」
 
医師「あ、念のため血液検査もしとこうか」
 
 
ということで、その後血液検査をおこなわれた。潰瘍ができやすいタイプかどうか調べるらしい。検査結果はまた後日
 

 
なお、そのあと点滴。点滴をうった後はなんだか体が栄養を喜んでいるのを感じた。胃カメラ後の点滴だからこそ、さらに格別(多分)。
 
 
点滴後、大量の薬を受け取る。その量に驚かされたが、その後に告げられた胃カメラ含めた診察料にも大変びっくりしました。
 
 
 
これが人生初の胃カメラと、点滴であった。まさに飴と鞭ーーまあ、鞭が強烈すぎてバランスが悪過ぎるが。ちゃんと胃カメラがどういうものか説明してからやってくれよ!と思いつつ、説明受けてたらやらずに辛い時間が長引いていたしなあ…。まあ、人生経験と思って割り切ろう。
 
 
 
…というわけで、しばらく安静の日々が続きそうです。土日も時間感覚を忘れるほど布団の中で過ごすことになりました。はやくご飯が食べたいなあ……南無三。
 
 
補足
別にマラソンが悪いのではなく、私の走り方が悪いだけだと思います。マラソンは素晴らしいものです!(蛇足かな?)