富山の断片(黒部名水マラソン 番外編)
漫画っていうものを分解してみますと、結局は小さな断片の寄せ集めなんでありますね。本を読んだりテレビや映画を見たり新聞を読んだり、人と話したり、見たり聞いたりーー絶えずピッピと感性に訴えるものがあって。「あれが使えそうこれが使えそう」と捨てたり組み合わせ直したりーーそういう作業の結果、1つのアイディアがまとまってくるんです。
なるべくおもしろい断片を数多く持ってた方が「価値」ということになるわけです。
5月27日。先週の日曜日。
黒部名水マラソンを終えた後、私はシャトルバスで黒部駅に向かう。そして、電車で高岡駅まで行った後、さらに乗り継いで、氷見線を走る「忍者ハットリくん列車」に乗り、とある駅を目指す。
雨に晴れと書いて、雨晴(あまはらし)駅。
駅から海が見える美しい駅。1日の乗車人数は100人を切るけれど、冬には富山湾越しに立山連峰を望むことができる聖地として、世のキャメラマン達が続々と来訪するようである。
写真好きでもない私がこの地を訪れたのは、マラソンが終わってすぐに大阪に帰るのが嫌だったから。だって、ここで帰ったら、翌日月曜日に通常通り出社して、通常通りサラリーマン生活に戻ることになるじゃん。それはイヤだったの!(ただの甘え)
現実逃避するために、黒部から約2時間かけて雨晴駅に向かったわけである。そして、雨晴にある旅館に一泊し、翌日月曜日に富山観光でもしようと思い立ったのであった。あ、もちろん有給申請はしてますからね。立派な働き方改革です。
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雨晴駅から旅館のリムジンバスで旅館までゆらり向かう。かなり人気の旅館みたいだけど、日曜日ということもあって、無事予約できたのでした(わーいわーい)。
最高のもてなしと、最高の温泉と、最高の夕食。そして、最高のお酒。黒部名水マラソンで疲れた体と心を精一杯ねぎらった(甘やかした)のであった。思い出しただけで、極上の至福にニンマリする。
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5月28日(月)
旅館の朝食(めちゃくちゃうまかった)を食べ終え、10時に旅館を出る。最高の旅館だった。また来たいなあ。
雨晴名物の雨晴海岸。海岸には、観光バスで訪れた観光客がちらほらいらっしゃいました。
富山県の高岡市は、ドラえもんやキテレツ大百科の作者である藤子・F・不二雄先生の生まれ故郷である。
・・・・・・あ、今まで隠してましたが、実は私、F先生の大ファンなんです。そこらへんの『ドラえもん好き』を自称する奴らには負けませんからね。F先生が書いたあらゆる作品や関連作品をかき集めましたから(高校生になってもドラえもんばっかり読んでる私を、両親は大変に心配していたようです)。
そんなF先生の故郷である高岡市をぶらり。
日本三大大仏の1つ、高岡大仏。日本で一番イケメンな大仏・・・・・・らしい。
さて、せっかく高岡市に来たんだから、高岡市美術館に併設されている「藤子・F・不二雄ふるさとギャラリー」に行かないとな。大仏さまに別れを告げ、高岡古城公園をぶらつきながら、美術館へ向かう。
歩いて30分ほどし、美術館に到着。しかし・・・・・・・
(・・・・・・まじで?)
膝から崩れ落ちる。残念ながら、館内には入れそうもない。しかし、せっかくなので、誰もいない美術館の館外をぶらぶら歩く(不審者)。
誰もいない美術館。人気がなく静か。大変に心地よく、ベンチでまったりと過ごす。
気がつけば、2時間くらい、ぼんやりしながらこの空間を独り占めして過ごした。観光地を回っているわけじゃないのに、こんなに贅沢で充実した時間は久しぶりだった。知らないけど、どら猫って、こういう気分なのかな。これはこれで、休日をとても満喫できたと思う。
余談ながら、隣には高校があり、青春のけたたましい声が静寂の美術館に響く。ーーまあ、彼ら彼女らも、休館日の美術館にこんな輩いるなんて思いもしないことだったろう。(怖いわ)
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14時、そろそろ高岡駅に戻ろうと、来た道を引き返す。
(お・・・・・・・)
アイスクリーム屋が目に入る。来た時は気づかなかったが、お洒落な外観
。
(ーーマラソンじゃアイスクリームが食べられなかったしなあ)
と、中に入り、アイスクリームを買う。
お店:CHILLOU &ソフトクリーム畑高岡店
備考:店員さんがとても素敵なお店です。アイスクリームも本当に美味しく、メニューもびっくりするくらい沢山ありました。富山県発祥のアイスクリーム屋さんとのこと、皆さんも富山に来た際はお一ついかが?
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高岡駅に到着し、そこから富山駅へ電車で向かう。富山旅行も終わろうとしている。
(最後に何かーーあっ・・・・・・・)
富山駅をぶらぶらしていると、ラーメン屋を発見。せっかくだからと、富山ブラックラーメンをいただく。
しょっぺええなああ!!でも、癖になります。
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夕方、富山駅発大阪行きの高速バスに乗り大阪に帰ったのでした。月曜日ということもあり、高速バスも空いていてとても乗り心地が良かった。
マラソン大会、走るのもいいけど、こういう楽しみ方もたまらないんだよなあ。有給取るのは勇気がいるけど、このためだったら・・・・・・ね。