ギザ十な日々

2人の息子と妻との日々を書いています。

「頼むからちょっと爪を隠してくれ」と思うことが増えて困っている

 

 

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朝のオンラインミーティング。

 

女性先輩A「未来プロジェクトのお陰で資料作り本当に大変ですね。今週は特に忙しいので、ちょっと会議不参加にさせてもらって良いですか」

 

上司「ああ、いいよ。あのプロジェクト、そんなに資料作りあるんだ。大変だね」

 

女性先輩A「大変ですよ~まあ、早く出世したいんで」

 

 

女性先輩は男性上司にも物怖じせずにハキハキおっしゃる。『未来プロジェクト』は少し前にも記した。社内公募の新規プロジェクトである。

 

yakiimoboy.hatenablog.com

 

意識が中くらいを自負する私は、参加はしないが参加しないことに劣等感を感じるという、最も精神衛生上よろしくない状態となっている。

 この女性先輩、ただでさえ仕事できるオーラがオンライン越しに漂ってくるのに、社内公募の未来プロジェクトにも参加し、ますます勢いを増している。そして、その勢いに圧倒され、萎えた気分になる私。朝から勘弁して欲しい・・・。

 

 

 

昼過ぎ。

この日は9月からうちの部署に異動となった先輩社員Bさんとオンライン会話。最近は出社制限がかかっているので、会社も意識的にオンラインで雑談できる時間を作ろうとしている。

 

Bさんは私よりも5つ年上の先輩。以前いた部署では、取引額が最も大きい得意先を担当していたらしい。ビジネス資格も多数所有しており、社内研修にも積極的に参加している。あ、上に記した「未来プロジェクト」にも参加している。

 

「ーーそれじゃあ、Bさんは本当にいろいろな経験をされてきたんですね。それに、ビジネス資格も沢山あって、更に社内研修にも参加って・・・本当にすごいですね。僕には真似できないです」

 

Bさん「そうだね。まあ、意識的にいろいろな経験をしようとはしていたね。資格や社内研修は、まあ、ここ最近だけどね。『時間を確保するためには、日常業務をどう効率化すればよいか?』というのは常に考えているね。前の部署だと、単純な業務が山のように存在してたから、それを効率的に処理すると意外と時間が作れたんだよね」

 

「へえーーすごいですね。そういう発想、なかなかないですね・・・」

 

Bさん「ところで、やきいも君に聞きたいんだけど。君、部内の書類管理や提案資料作成を任されているんだってね?」

 

「ええ、まあ。そういうのもやってますね。片手間レベルですが」

 

Bさん「DX(デジタルトランスフォーメーション)の観点から、もっと効果的な提案ツールを作れないか?って考えているんだけど。○○って方法や、△△って方法は今まで取り入れたことある?」

 

「ああ、そうですね。昨年にコロナの影響でなかなかお客さんのところに行けなくなりましたけど、そのときにそんな話もでましたね。でも、結局、本格的な導入にはならなかったですね」

 

Bさん「ふーん。君はなぜそれが導入されなかったと思う?」

 

「うーん、なんででしょうね。まあ、デラックスの考え方が大事なのはみんな分かっているんでしょうけど、なかなか新しいことを取り入れるのは熱量がいりますからねえ」

 

Bさん「デラックス?いやいや、やきいもくん。デラックスじゃ無くてDX!ディーエックスだよ。マツコが出てくるかと思ったよ」

 

「え?あ、やだ、すごい恥ずかしいですね・・・(顔真っ赤)」

 

Bさん「君のあだ名はやきいもデラックスで決まりだね(笑)。ともかく、せっかく新しい部署に来たんだから、なにか新しいことを取り入れていきたいんだ。それが自分がこの部署に来た意義だと思ってるからね。社内研修で学んだことも生かしていきたいし」

 

「そうですね。年下なので、是非なんでも命じてください。えへへ」

 

Bさん「うん、よろしく頼むよ」

 

1時間ほどオンラインで会話終了。・・・終了後はなんとも疲れを感じた。主に劣等感から来る疲れである。なんというか、エネルギーを吸い取られたような気分。

 

 

 

夕方。

一通のメールが届く。昨年から1年間、指導係を任せられていた後輩君からであった。メールには添付ファイルが1つ。新人指導のフィードバックシートである。これは、1年の業務を通じ、新人自身が振り返りを行い、それに対して指導係が最後のアドバイスをするというもの。いかにも人事総務部が好きそうなことである。

後輩君からは、「こちらの振り返り欄を書いたので、最後のアドバイス欄を記入頂けますでしょうか?」とある。

 ファイルを開き、後輩君の振り返りを読んでみる。

 

効率を徹底的に考え、スピーディーな対応を意識して業務遂行できた。特に、□□という大企業との取り組みは、自分の今後の社会人経験として大きく成長につながると確信している。今後もインプット・アウトプットを両方をバランス良く行いながら、最高の提案ができる営業マンになれるよう努力を継続したい。もちろん、営業は一人ではできない。開発部署・工場・保証関係の部署の方々とのコミュニケーションも重視していきたい。(※)

(※こんな雰囲気の文章)

 

がくっとうなだれる私。とどめの右ストレートを食らったような気分である。ちなみに、この後輩君もまた、「未来プロジェクト」に立候補し参加している。(いや、うちの部署、どんだけ未来プロジェクトに参加してんだよ)

 

 

私は、アドバイス欄に

 

むきだしの爪を少し隠してみましょう

 

と入力。だが、すぐに自分が情けなくなり、ファイルを一度消去。ため息ため息、である。

 

 

このご時世、自己アピールが大事なのは分かっている。誰かが分かってくれる、なんて思っていたって、誰も評価などしてくれないのだ。

 

だけど・・・だけどさ・・・、もう少し抑えるわけにはいかないか?あんたら優秀なんだからさ、少し黙っていた方が賢く見えるぜ?周りからだって反感も買わないだろうしさあ。なあ、なあ(涙)

 

・・・些細なことが気になる無能人間の、せめてものお願いなのであった。ああ、もう、キライ!(地団駄)