息子をアレクサとまちがえた男
在宅勤務中、アレクサに命じて音楽をかけるのが私のルーティンとなっている。
「アレクサ、集中できる音楽かけて」
アレクサ「おすすめの集中できるポップスを再生します」
ノリノリで仕事をしていると、会社スマホが鳴る。そのたびに、あわてて
「アレクサ、ストップ!」
と声をかけ、電話に応じる。
電話を切り、落ち着いたところで再びアレクサに音楽をお願いするのだが、営業職である以上、電話は社内外から不定期にかかってくる。テレワークの本格化の影響で、スマホだけで無く、パソコンのアプリであるTeamsを通じて、上司・同僚から呼出がかかることも多い。そのたびに「アレクサ、ストップ」と声をかける。
煩わしさを感じながらも、「アレクサ、音楽再生して」、「アレクサ、ストップ」と繰り返す日々である。最近、別に「アレクサ、ストップ」と言わなくても、アレクサの音量ボタンを押してボリュームを下げれば良いと言うことに気づいたのだが、なんか癖でつい「アレクサ、ストップ」と言ってしまうのであった。
そんな、アレクサに声をかける日々が続いていると・・・。
火曜日。在宅勤務。
タロウ「びえーん、びえーん!」
夕刻、リビングで息子タロウが泣いている。私は仕事を中断し、息子に駆け寄る。
「おお、アレクサ、どうした・・・あ」
妻「ちょっと、今、タロウに向かって『アレクサ』って言った!?信じられない!」
「いや、まあ、ちょっと反射的にね・・・」
妻「アレクサ禁止!」
いやはや、これもまた、在宅アルアルなんでしょうね。(・・・違う?)