濃厚接触者? 妻、PCR検査へ
先週の土曜日。
妻が大きな声を上げる。
「おうおうおう、どうした」
妻「大変な事が起こった。何だと思う?」
「何よ。コロナに感染したの?」
的外れなことを言っているつもりなので冗談になるのである。だが、妻の返答は…
妻「半分正解」
「ん?どういうこと」
妻「感染したのは私じゃ無くて職場の上司。今、会社の先輩から連絡があった」
「え?まじ?」
話を聞いてみると、妻の職場の上司(男)が感染したらしい。年齢的には50前後の方で、少し前から体調が悪かったらしい。PCR検査を受けたらしいが、その結果が土曜日にでた模様。
妻「私、先週まで毎日この人と話していたんですけど。先週も『熱っぽいんだよなあ』って言っていたけど…もう、そんな体調で会社来ないでよ~(涙)」
「ふーん・・・」
ちなみに、妻はつわりが終わって以降、職場に復帰し、毎日のように出社していた。ただし、国の緊急事態宣言の影響により、次週から在宅勤務に切り替わることになっていた。そう、次週からなのだ。あと一歩二歩遅かった。
「まあ、でも、マスクしていたんでしょ?お互い」
妻「していたけどさあ・・・。コレって濃厚接触者ってヤツになるんじゃないの?」
「濃厚接触者ねえ。どういう定義だったっけ。どれ、濃厚接触者調べてみよう(身近なことになると真面目に調べ始めるやつ)」
「濃厚接触者」とは、患者の感染可能期間内(発症日の2日前から、診断後に隔離などをされるまでの期間)に、接触した者の内、次の範囲に該当する人とされています。
- 患者と同居、あるいは長時間の接触(車内・航空機など)があった人
- 適切な感染防護なしに患者を診察、看護もしくは介護した人
- 患者の気道分泌液もしくは体液等の汚染物質に直接触れた可能性が高い人
- その他、手で触れることの出来る距離(目安として1メートル)で、必要な感染予防策(マスクなど)なしで15分以上接触があった人(周辺の環境や接触の状況等個々の状況から患者の感染性を総合的に判断する)
(国立感染症研究所「積極的疫学調査実施要領」より)
「濃厚接触者」に該当するかどうかは、保健所が聞き取り調査を行った結果から、総合的に判断して決めます。保健所から濃厚接触者として連絡があった方は、下記の内容をご確認ください。
ここで妻が該当しそうなのは4番の「その他、手で触れることの出来る距離(目安として1メートル)で、必要な感染予防策(マスクなど)なしで15分以上接触があった人(周辺の環境や接触の状況等個々の状況から患者の感染性を総合的に判断する)」っぽいが。
「どう?こんな感じの状況あった?」
妻「そこまでじゃない気もするけど…でも、よく仕事の話を近い距離でしていたしね。当然、マスクもずっとしていたよ。くどいけど」
「1m以内?」
妻「うん。そうね」
「近いよ。普通、仕事でそんなに接近する?」
妻「するでしょ、普通。でも、15分以上の会話はないからね?」
「どうだか。こんなことじゃ、知らないうちに30分くらい話していてもおかしくないね」
妻「何、疑ってんの?」
「いや、別に疑ってるわけじゃ無いよーーっていうか、なんだこれ、浮気調査みたいね」
妻「本当だよ。私、悪いことしたみたいじゃない」
「まあ、濃厚接触者にあてはまるかどうかはこの際置いといて、身近に接していた人なんでしょ?職場からはなにか連絡あったの?」
妻「強制では無いけど、自主的にPCR検査受けてください、だってさ。職場の先輩たちはみんな受けるって。私も受けた方良いかなあ。あとで経費で落ちるのかなあ・・・」
「受けた方、いいんじゃない?心配だよ、妊婦なんだしさあ。経費とか言ってる場合か」
ネットで検査すると、コロナウイルスと妊婦に関する記事は沢山出てくる。
妊婦がコロナウイルスに感染したら重症化しやすいかも
妊婦がコロナウイルスに感染したら長期化しやすいかも
妊婦がコロナウイルスに感染したら早産になりやすいかも
妊婦がコロナウイルスに感染したらお腹の赤ちゃんにも感染するかもしれない
となどなど。ただ、どれも確かな情報ではなく、推測の域を出ない。
なお、海外では大規模調査が少しずつ出始めているらしい。この記事はよく参考にしている。
コレを見る限り、やはり妊婦の感染は大いに警戒すべき印象である。もちろん、これとは異なる見解を示す論文もあるみたいなので、まだまだ検証すべきコトなのだと思うが。
対照的に、日本の場合、妊婦の感染者数自体がそこまで多くないため、妊婦に対するコロナ大規模調査ができていないようだ。以下の日本産婦人科医会HPが最も詳しそうだが、詳細に分析した情報は少ない印象。
https://www.jaog.or.jp/wp/wp-content/uploads/2020/12/201215.pdf
なお、テレビ番組で「コロナウィルスと妊婦」に関する特集されているが、有益な情報をみたことがない。まあ、過剰にあおっているのはいつもの通りだが。
また、ネット上では「妊婦だからって普通の人と差があるわけではないので安心して!」「妊婦の方がむしろコロナウィルスにかかりにくいんだよ!」と自信たっぷりにいっている医者もいるので訳が分からなくなる。
いろんな意見があるが、まだまだよくわからないウィルスであるので、今のところは慎重であるべき、というのが私たち夫婦の認識である。
さて、話戻して、後から来た職場からの通知の結果、妻は濃厚接触者には当たらなかった。ちょっとだけ安心。ただ、妻は日常的に陽性者の人と近くで働いていたのは間違い無いし、職場の他の人たちもPCR検査するということから、妻も念のためPCR検査を受けることになった。
ーー
月曜日。
私は会社を休み、車で妻をPCR検査をしている病院へ連れて行く。
妻曰く、鼻の奥まで綿棒みたいなヤツをぐりぐりされてメチャメチャ痛かった、とのこと。結果は翌日の午前中に登録したメールアドレスに送られてくるとのこと。
その夜、私は眠れぬ夜を過ごした。妻はよく寝ていた。
ーー
火曜日。
私も妻も在宅勤務。午前中、ハラハラしながら結果を待つ。
そして、11時頃。
私が仕事の電話をしているとき、妻は一枚の紙を机に置いて去って行った。
その紙には大きく
陰性
と書いてあった。
…ホッとした。とりあえずホッとした。電話を終えて、妻と抱き合ったのであった。
「いやあ、本当によかったあああ」
妻「職場の先輩に報告したよ。安心してくれてた」
「でも、あれだなあ…気をつけなきゃいけないなあ。改めて思ったよ」
ひとまず無事に陰性で安心。
でも、まだまだ感染する可能性があるので、警戒を続けていくしかないだろう。