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「まくら」営業、はじめました。

営業職の男です。「まくら」を極めて営業のタツジンになりたいのです。

いつまでもあると思うな親と親

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12月30日。明朝。

 

 

 

「さて、そろそろ行こうか――」

 

昨日の夜のうちに、部屋の掃除を済ませ、冷蔵庫の中にある賞味期限切れの食材に別れを告げ、仕事着をクリーニングに出し、たまったごみを収集場に捨てた。

 

家を出る前に電気の消し忘れをチェックし、鍵を閉める。

 

 

 

 

――

 

伊丹空港に出発1時間前に到着。

 

 

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空港内はものすごい人の量であった。 手荷物カウンター、保安検査場は大蛇の列が出来上がっていた。それでも、皆がどこか浮足立っているように見える。おそらく自分もその1人だろう。

 

飛行機にはあまり慣れていなかったので、空港職員の人や後ろに並んでいた人には少しご迷惑をおかけしてしまった。田舎者なのでどうかお許しください……。

 

さあ、出発お新香!

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ーー

約1時間半のフライトで無事到着。

 

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私の故郷は、言わずと知れた某雪国。年末年始は雪であふれかえっている。

 

雪の影響に伴い、天候によっては伊丹空港に引き返す可能性がございます

 

という、条件付きのフライトであった。飛行機に乗った後もそわそわしていたが、何とか無事に到着することができた(わーいわーい)。

 

――

 

故郷に唯一ある空港には、すでに母が車で迎えに来てくれていた。あ、私の実家は、空港から車で約1時間ほどの辺境の地なのである。

 

 

母「飛行機は無事に飛んでた?」

 

「いやあ、危なかったよ。もしかしたら大阪に引き返していた可能性もあったみたいだから」

 

母「へえ、そうなんだ。でも、これくらいの雪、普通でしょ?」

 

「コッチの人からすりゃそうだろうけどね(笑)大阪にいたら雪そのものが珍しいらしいから。こんなに雪がずっと降り続いているのを見たら、異国にきた気分だと思うよ(たぶん)」

 

母「ふ~ん。そんなもんかね」

 

 

――あ、ちなみに、実際の会話は上記ような標準語ではない。文章には表現できないが、母の言葉ひとつひとつには、もっときついナマリが入っている。でも、それを書くと我が母が野蛮人なのではないかと勘違いされる恐れがあるので、あえて標準語に直して記している点、ご留意いただきたい(まあどうでもいいか)。

 

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母の車。母が運転し、私は母が握ったおにぎりを食べる。

 

「いやあ、でも、やっぱり今日の雪はすごくない?」

 

母「――そうだねえ、今日の天気予報では晴れるって言っていたのにねえ」

 

「空が暗いよ」

 

母「高速も50㎞規制がかかってる」

 

「今、何kmで走ってんの?ちなみに俺は、今年、速度違反で捕まったから」

 

母「あ、そうなんだ。じゃあ、ゴールド免許じゃなくなるんだね」

 

「おふくろはどうなの?まだゴールド?」

 

母「いや……去年だっけ?高速じゃないけど、一時停止のところで停止が甘いってことで捕まったから。急に警察が出てきてびっくりしたよ。まあ、これも運命だね」

 

「ふーん。初めて聞いた」

 

母「スピード違反で捕まるのはお父さんの方だよ。運転がかなり粗いからね。生真面目で神経質な癖に、免許更新を忘れるわ、違反を繰り返すわ――どっか抜けてんのよね」

 

「まあ、オヤジはそんな感じだね」

 

母「高速って言ったら、おまえ、この高速道路で逆走車と衝突してしまった事故があったの知ってる?」

 

「え、そうなの?知らん」

 

母「結構、ニュースになったんだよ。ドライバーは高齢者だったみたいだけど、数人亡くなったんだから」

 

「知らなかった……」

 

母「確かにこの道路、結構わかりづらいからねえ」

 

「高齢者ドライバーの問題は田舎の方が深刻っていうのは、こういうことなのかしらねえ。おふくろも気をつけなよ」

 

母「あたしゃ大丈夫よ。まだ50代だもの。心配なのはお父さんだね」

 

「まったく。オヤジももうすぐ70だからなあ」

 

どうでもよいが、母と父はひとまわり違う年の差結婚なのである。自分も結婚を意識する年齢になり、12歳の年の差を乗り越えた両親の凄みを実感する。

 

母「――あ、そういえば、お父さん、骨折したよ」

 

「ふーん。……は!?」

 

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「唐突になんだって!?親父が骨折!?」

 

母「骨折。酔っぱらって滑って転んで。肋骨3本」

 

「は!?」

 

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母「町内の飲み会で大分酔っぱらっていたみたいだね。ちょうど先々週くらいだね」

 

「じゃあ、雪道で滑って転んだってこと?」

 

母「いや、家の中」

 

「……もう、意味が分かんない」

 

母「本当だよ。馬鹿なんだから」

 

「いや、そうじゃなくて、なんで家で転ぶの?なんで家で転んで骨折するの?」

 

母「知らないよ。滑ってストーブか何かに肋骨ぶつけたみたいだよ。病院に行くのが怖いからしばらく隠していたみたいなんだけど、ずっと痛そうにするわ発熱するわで大変な感じだったから、無理やり病院に連れていったわけ。そしたら、肋骨3本折れてんの(笑)」

 

「え、全治どれくらい?」

 

母「3か月」

 

「3か月!?肋骨って治るのにそんなにかかんの?」

 

母「いや、肋骨3本だから3か月。1本につき1か月くらいじゃない?」

 

「そんなアホな計算あるか。親父は大丈夫なの?その、心の方は……。この年齢だとこういうのが精神的にも来そうな気がするじゃん」

 

母「まあ、ねえ。ちょっと落ち込んでいるけど」

 

「そうか……じゃあ、横腹はたいて励ましてやるか」

 

母「やめんかい」

 

 

ーー

 

実家に到着。

 

父「おお、よく帰ってきたな。お疲れお疲れ」

 

「お疲れお疲れじゃないよ。なに骨折してんだよ!」

 

父「ああ……まあねえ。しょうがないだろ」

 

あ、ちなみに親父もナマリがひどいので、標準語に修正している。ご留意を(どうでもいいか)。

 

父「別に生活に支障はないよ。バンドで固定しているから痛みは感じないし。ただ、重いモノを持ったり、雪かきしたり、車の運転をしたり、軽い運動も何もせずに安静にするだけだから」

 

「思いっきり支障があるだろがい。全治8か月だろ?年末に何やってんだか」

 

父「そんなにかかるわけないだろうが!たぶん1月中には治ると思う」

 

母「先週、病院行ってレントゲン撮ったら、何も変わってなかったんだけどね。それに、少し前まではトイレもひとりで行けずに、着替えも一人でできずにいたんだから。少し早い老人介護だよ」

 

父「……やかましいってんだよ。それより、背中痒いからかいてくれ」

 

母「ん」

 

父「あ、もういい。かきすぎかきすぎ。もういいって」

 

母「ん?」

 

父「もういいっての(笑)」

 

  「……(何をいちゃついてんだ)」

 

父が思ったよりも落ち込んでなくてよかった。それよりも、母は負担が増えたのにもかかわらず、いつも以上に元気そう。母の偉大さを感じるのであった。

 

――

 

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(双子ちゃん)

 

晩御飯にすき焼きを食べた。卵黄が2つ出てくるちょっとした奇跡に遭遇できました。

 

父「いやあ、食べた食べた。大分酔っぱらったなあ」

 

「 うむ。また酔っぱらって骨折するなよ」

 

父「ん?なんで知ってんだ!?」

 

母「あ、もう焼き芋には言っちゃったから」

 

父「なんで言うんだ!」

 

「ん?どういうこと?なんかまずいの?」

 

母「あはは。この人、酔っぱらって骨折したっていうのが恥ずかしいから、親戚にも『大掃除しているときに、はしごから落ちてしまった』ってことにしてんの」

 

父「そりゃそうだろうが」

 

「なんという情けない……」

 

父「なんで言うんだよ。バカ。ああ、もう」

 

母「あははは」

 

父「あ、そろそろ風呂入るか。おい、頼む」

 

母「ん」

 

と、父は服を脱ぎ、身に着けていた肋骨バンドを母が外し始める。なるほど、ここにきて夫婦共同作業が増えている模様である。両方とも楽しそう。

 

 

(……夫婦35年の凄みである)

 

なんて横目に思うのであった。 

 

 

以上、くだらぬ記録でした。……ちゃんと親孝行しないとなあ。

 

 

あ、皆様も、年末年始に気を緩めすぎてお怪我なさらぬよう、ご注意を。

 

 

 

では、2017年もよろしくお願いいたします。