ギザ十な日々

2人の息子と妻との日々を書いています。

1000円の重み

 

 

 

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今、手元に

 

使うのをためらう理由が一切ない1000円札

 

があったならーーあなたは何をするだろう?色々な答えが出てきそうな問いである。

 

 

小学2年生だったら、いつもは1個だけの玩具付き菓子を5個買うのかもしれない。

 

SF好きの本の虫だったら、少し厚めの文庫本を1冊買うんだろうか。

 

酒好きだったら、迷わずにせんべろツアーを開始するに違いない。

 

お茶が好きなご婦人であれば、お好きな玉露を少しだけ買って、家でまったりと楽しむことだろう。

 

ボサボサ頭のあなたは、早急に1000円カットに行った方がよろしい。

 

 

 

 

大きなことはできないけれど、考えようによっては、なにかのきっかけになるかもしれない1000円の使い方。あなたはどうでしょう?

 

 

 

そうですね、今の私の場合は・・・・・・

 

 

 

 

ーー

 

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3月某日。

 

従業員「今日はありがとうございました。以上となります」

 

「ふぁああ、ありがとうございました。お陰で肩こりが楽になったような気がします」

 

従業員「それは良かったです!あ、ところで」

 

「?」

 

従業員「実はーーすみません、4月1日から値上げになりまして・・・・・・」

 

「値上げ?あ、そうなんですか」

 

従業員「もちろん、値上げはいたしますが、その分、メニューが増えますので、よりお客様のご意向に沿ったサービスを行うことができます。ですので、引き続きご利用のほど、お願いいたします」

 

「わかりました。まあ、今までがすごく安かったですからね。わかりました」

 

従業員「ありがとうございます。今日はありがとうございました」

 

 

 

月に1回か2回訪れるマッサージ店。値段の安さと安定の施術、そして何より家から近いこともあり、非常に愛用していた。

 

そのマッサージ店が4月1日より値上げになるとのこと。その値上げ幅は、なんと

 

1000円

 

である。(この流れだったらそうでしょうね)

 

 

まあ、お世辞でもなんでもなく、今までがかなり破格の価格設定だった。元の具体的な価格を記すのは避けるが、まあ、激安マッサージと銘打っているのがおおよそ3000円前後である中、1000円の値上げによってようやくその価格に沿ったものになった、とだけ記しておこう(ほぼ言ってますね)。

 

 

しかし、正直なところ、いかに好景気といえど、よくいきなり1000円も値上げできたなあ、とは思った。

 

 私も営業の端くれ、商品の値上げをすることもある。その時は、

 

頑として値上げを行うという強い気持ち

 

と、

 

お客との関係が切れてしまわないよう非常に慎重な対応

 

を心がける。(途中で相手の気迫に押されて値上げ幅を変えたり、関係が切れそうになって大慌てすることもしばしばである。実にストレスフル。本当に、値上げって大っ嫌い)

 

 

そんな私から見て、元の価格から見ても1000円の値上げはかなり強気な態度であるように感じる。

 

 

でもまあ、それだけお客も安定して入っているんだろうな、とも思う。実質、私が気まぐれにその日に予約しようと思っても、全て埋まっていることも珍しくない人気店である。多少お客が減っても、客単価の上昇で十分に埋め合わせられるのかもしれない。

 

 

ともかく、今回の4月1日からの値上げでようやく市場価格に沿った価格設定になったこのマッサージ店、はてさて、今後お客の入りはどうなるのだろうか。個人的には非常に興味を持っていた。

 

 

ーー

 

4月2日。月曜日。

 

仕事の昼休みに上述のマッサージ店のHPを見てみる。前日のフルマラソンの影響で、足に疲れがたまっていたため、マッサージを受けたくなったのである。

 

「あ、今日空いてる」

 

このマッサージ店は、HPで空いている時間帯を確認し、そこから希望の時間帯を選択するシステムである。

 

いつもならば当日予約はほぼ不可能だったのだが、この日はほぼ終日空いている状態。

 

「というか、これって・・・・・・」

 

 

 

他の日の空き状況も見ている。ある意味で恐ろしい状況が画面に現れる。それは

 

 

 

 

 

ほぼ毎日、ほとんどの時間空きがある状態

 

 

 

となっていたのである。これはつまり、ほぼ空き無しだった4月以前とはまるっきり反対の状態であることを意味する。

 

 

「・・・・・・まじ?こんなに変わるものなの?」

 

もちろん、値上げの影響で客が減ることなど想定の範囲内だろう。だが、正直ここまで極端に空きが生じることになるとは、第三者の私から見てかなり驚きであった。そして、ふと大学の経済学入門の授業で習った「需要と供給のバランス」の考え方を思い出した。単純だが、この状況を説明する上で実に明快な見解であると思わざるを得ない。つまり、

 

 

価格が安いときは客が相応(めちゃめちゃ)に多かった。価格が高くなったことで相応(めちゃめちゃ)に客が減った。

 

 

ということであろう。当たり前なんだけど、ある意味で恐ろしい事実である。

 

 

私はマッサージ受けたさもさることながら、値上げによって生じたマッサージ店の変化を体感したく、会社終わりに行ける時間帯に予約を申し込んだ(ろくでもない趣味である)。

 

 

ーー

 

会社終わり、マッサージ店へ直行。

 

お店には私以外にもう一人先客いたが、それ以外の施術ベッドは空いていた。

 

お店に悪いので細かい描写は避ける。ただ、いつもならば、前の客の影響で施術時間が数分〜十分程度遅れることは当たり前だった。また、マッサージ中も予約のための電話で施術が中断されることもしばしばであった。だが、この日は電話は1度も鳴らない。時間通りにマッサージは始まり、時間通りにマッサージは終了したのであった。

 

 

「ありがとうございます。足の疲れと肩の疲れが楽になりました」

 

従業員「ありがとうございます。そういってもらえると嬉しいです!肩は本当に凝ってましたね笑」

 

 

心なしか、従業員の対応にはいつもよりも余裕があるような気がした。お客が少ない分、一人一人のお客に費やせるエネルギーが多くなっていたのかもしれない。無論、客側としてはその方が嬉しい。

 

値上げによる影響を直接従業員の方に聞いてみたかったが、それはいくらなんでも不躾かと思い、この日は控えることにした。

 

ーー

 

お店を出た帰り道、マッサージ店のことを改めて考えてみる。

 

 

2000円→3000円

 

と言われれば、大幅な値上げのように感じる。実際、大きな値上げ幅である。しかし、この店の施術が

 

もともと3000円

 

と言われたらどうだろうか?

 

 

初見であれば、別にそこまで違和感をもたないように思う。むしろ、今までいくつか行ってきた同価格帯のマッサージ店よりも質の高い店だと思うので、むしろお得!と思うかもしれない。

 

しかし、おそらく今までは

 

2000円ならば利用していた客

 

が中心だったと思われるため、それまでの客が大幅に減っても全くおかしくない。でもまあ、実力もサービスも3000円の価格でも満足いくお店だと思うので、客一人の対応が向上するに伴い、客は徐々に増えていくだろう。しばらくは値上げの影響で大変な思いをするかもしれないが、今が踏ん張りどきと思って頑張ってほしい(何様)。

 

 

 

とりあえず、もう少し、この店に通ってみたいと思う今日この頃であった。お気に入りのマッサージ店の応援、そして己の好奇心を満たす目的ーーこんな1000円の使い道、どうでしょう? (よく考えたら3000円使ってる?あれ?タイトルとかみあわない?)

 

 

 

・・・・・・知らんがなっ、てね笑