「まくら」営業、はじめました。

営業職の男です。「まくら」を極めて営業のタツジンになりたいのです。

つながる走り・走るつながり

 

 

Q30: 仲間と一緒に走ったほうが速く走れるようになれますか?

 A:本当は一人がいい。でも、たまには仲間で走るのもいいよね。

 

小出義雄『知識ゼロからのジョギング&マラソン入門』より

 

 

 

 

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2018年になりました。

 

大阪に転勤になったのが2016年の春。大阪生活も今年で3年目に突入します。
元々、東北の田舎者である私にとって、大阪は「悪い意味」で近寄りたくない場所でした。大阪で東北出身の人間を見つけるのが難しいのも、大阪と東北が合わない証拠だと思ってました。引越した当初は、お笑い番組やワイドショーや下町巡りが一日中やっていることにすら、嫌気がさしていたものです。

 

ですが、いつの間にか、大阪の親しみやすく温かい雰囲気が、とても好きになっていました。吉本新喜劇もよく観るようにもなりました。そして、この土地にもっとなじんでいきたい、と思うようになったのです。

 

 

こうやって考えてみると、大阪に限らずどんな場所も、それぞれに良いところがあって、時間をかけさえすれば、その場所をいつの間にか好きなるものなんじゃないかなあ――なんて思ったりするんです。……ですけど、その時間をかけるにも、自発的にはなかなか難しいもので――。

 

 

――

昨年末。

 

【接待その1】

12月中旬。

 

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取引先会長「ほう、マラソンか」

 

「は、はい」

 

課長「若いですよね。私なんてもう、何十年もまともに走ってませんよ」

 

「いや、マラソンに年齢は全然関係ないですよ?特にマラソンは!(本気)」 

 

取引先会長「いやいや、私は走れないんだけど、うちの若いもんが結構走っていたりするんだよ。それで、焼き芋さんのタイムはどれくらいなの?」

 

「いや、ここで言えるほどのものでもなく……大体、4時間をギリギリ切るくらいでしょうか」

 

取引先会長「ほう、サブ4か!そりゃ速い」

 

課長「サブ4?なんですかそれ」

 

「フルマラソンを4時間以内で走り切ることで……ゴルフでも100を切るのが1つの分かれ目だったりするじゃないですか。フルマラソンも4時間がちょうどそこらへんのようだと思われます(多分)」

 

課長「へえ、それじゃ結構すごいんだ。でも会長、お詳しいですね」

 

取引先会長「まあね。しかしうちの会社でも、サブ4で走れる人間はいないんだよ。大したものだ」

 

「いや、私なんてまだまだで(ホマレホマレ)」

 

意外なところで話が盛り上がることになった。マラソンの神様からのご褒美だろうか。

 

 

【接待2】

12月下旬。

 

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取引先次長「ほう、マラソンですか」

 

「ええ、そうなんです。まあ、独り者なんで、休日なんて走ることくらいしかなくて」

 

我が課長「でも、こいつ結構速いらしいんですよ。なんだっけ?サブ4?ってやつらしいです」

 

取引先部長「ほう、サブ4ですか」

 

取引先次長「あ、そういえば、部長もマラソンはかなり走ってましたよね」

 

取引先部長「うん、まあ、そうだね」

 

「あ、そうなんですか!」

 

取引先次長「部長は、実は有名なランナーの血筋の人なんですよ。ほら、苗字が〇〇でしょ?あの人の一族」

 

「え?〇〇部長?……あ、もしかして〇〇◎美?」

 

 

おそらく誰もが知っているプロランナー。ただし、たまたま同じで茶化されている可能性もあった。……しかしながら、いわれてみると、取引先部長からはレベルの高いランナーだけが放つといわれる特有のストイックオーラが感じられた(おまけに細マッチョであった)。

 

取引先次長「そうなんですよね、〇〇部長」

 

取引先部長「まあ、そうね(苦笑)まあ、直接俺には関係ないけどさ」

 

「へええええええ、すごいですね!それで、部長さんも走られるんですか?」

 

取引先部長「そうですね、まあ、昔は結構走ってましたけど、今はそれほどでも」

 

嘘をついているようには見えない。そこで、恐る恐る聞きたいことを尋ねる。

 

「聞いていいのかわかりませんが、差し支えなければ、自己ベストは――?」

 

取引先部長「まあ――2時間半弱ですね。もちろん、昔の話ですよ?今は全然です」

 

「ぶほ!どっしぇえ!!!早!」

 

我が課長「なんだよ。お前より1時間半以上早いってこと?っていうかサブ4って大したことないんじゃないの(笑)」

 

「いや、この方がすごすぎるだけですから!正規分布の端っこ!(※)いやしかし、そんな人の前で大変恥ずかしいかぎりです。本当に、すごい方だったんですね。お会いできて光栄です」

 

取引先部長「いえいえ。昔の話ですから」

 

 

神々しく光る取引先部長。ニワカモノとホンモノとの違いを見せつけられ、お世辞ゼロの心の底から尊敬のまなざし。会話もマラソン関係で続いた。接待としては、まあよかっただろう(と思う)。

 

これもある意味、マラソンの神様からのご褒美だったのか?

 

(※) どうでもいいが、フルマラソンのタイム統計を出してみた。想像していたのとは違い、あまり綺麗な正規分布ではなかった。いずれにしても、取引先部長はすごい人であることは間違いない。

 

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資料:アールビーズ社アンケート資料を基に作成

 

――

  

先週。

 

会社にて。

 

ニンジンさん「お、あけましておめでとう」

 

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「あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします」

 

ニンジン「うん、こちらこそ」

 

「あ、ニンジンさん、昨年末にお話しした件ですが」

 

ニンジン「おお、うん」

 

「2月末にちょうど大阪でハーフマラソンの大会ありそうでして。そちらでいかがかと」

 

ニンジン「いいねいいね。じゃあ、1月に一回20㎞くらい走る練習しようよ」

 

「そうですね。ぜひ」

 

 

ニンジンさんは、私とは違う営業部署の中間管理職の方である。同時に、わが社のトップ営業の方でもある。ニンジンさんが普段どのような営業をしているのかは知らないが、ニンジンさんの名前は、部署が違えど、知らない人はいない。

 

そんな人と私のようなイモ男が話す機会など、普段は皆無……なのだが、ニンジンさんと2018年の2月にハーフマラソンに一緒に参加することになったのであった。

 

 

きっかけは、昨年の10月ごろに催された部署を超えた飲み会の席。近くに座っていたニンジンさんとたまたま話す機会があった。その時にも――。

 

ニンジン「焼き芋君はまだ一人もんだろ?休日は遊び放題じゃん。どう過ごしてんの?」

 

「いや、つまらん人間ですので、遊び方を知らなくて――(苦笑)。まあ……時間があったらちょっと走るくらいですかね」

 

ニンジン「ランニング?どれくらい走るの?」

 

「まあ、日によって違いますが、数㎞~10㎞くらいですかね」

 

ニンジン「へえ。大会とかにも出てんの?」

 

「そうですね。2017年は4回くらいでましたね」

 

ニンジン「へえ、すごいじゃん。それってフルマラソン?」

 

「まあ、一応。でも、本当に大したもんじゃないので――」

 

ニンジン「いや、ここだけの話、実は俺も走りたいなあ、って思っていたんだよ。俺の中学生の頃の同級生で今も一緒に遊んでいる奴らも、走るのにハマりだしててさ。40代になると、体のことも気になってくるんだよね。俺もやりたいんだけど、ちょっと出遅れた感じがあってね」

 

ニンジンさんは確か40歳前後の方。ただ、見かけは30代前半と言われても驚かないような若々しい方である(ブログの中ではお世辞など言わん)。

 

「いや、ニンジンさん、別に普通にスラっとされているじゃないですか」

 

ニンジン「そんなことないよ。カミさんからももっと痩せろって言われてるし。なあ、今度一緒に走ろうよ」

 

「ああ、それはもちろん、ぜひお願いします(逆に私でいいんですか?)」

 

というわけで、1度大阪城周辺を走って以来、何度か一緒に走ったりしていた。私と走ってイッタイ何が良いのかわからないが、せっかくお声かけいただいているのだし、私自身も走ることに関しては楽しめているので、今後もできれば続けていきたい。

 

ともあれ、ずっと1人で走っていたけど、こんな形で一緒に走る人ができるとは思わなかったのであった。これもまあ、ランニングを通じた縁であろう。

 

 

大した目的意識もないまま始めたランニングだったが、いろんな人間関係構築に役立っている。これは素直に喜んでいいんだろう。マラソン人口が増えたおかげで「走る」という言葉に良い反応を示す人が増えているのだと思う。 

 

でもまあ、こういう『仕事につながる走り』だけではなく、なんというか、もっと気楽というか――。

 

 

――

 

月曜日。成人の日で休日。

 

雨の中、いつものコメダ珈琲に行ってアイスコーヒーを飲みながら、まったりと過ごす。

 

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ふとランニングサイトである「ランネット」をのぞく。ランネットは、大会エントリーの時しか使用していなかった。けど、よく見ると、いろいろなランニング関連情報が掲載されていることがわかる。その1つに以下があった。

 

 

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マラソン コミュニティ。一緒に走る誘いやサークル紹介などがずらずらと載っている。

 

「……まあ、ねえ」

 

私はランネットを閉じ、トイレに向かう。

 

 

――

 

(……)

 

トイレから戻ってから、

 

ランニング 社会人 サークル 

 

で調べる(ああ恥ずかしい)。

 

すると、マラソンサークルに関するサイトがずらずらと姿を見せる。どっやら、マラソンサークルは私が想像していたよりも遥かに多く、全国津々浦々に存在するようだった。暇つぶし、と自分に言い聞かせながら、そのサイトを見て回る。

 

(……ほう)

 

どれも楽しそう。走っている姿だけではなく、打ち上げの写真や、旅行の写真まで載っている。かなりストイックなサークルもあれば、緩やかにマラソンを楽しむことを主目的にしているものまで、実に多種多様。

 

しかし、こういうのを見ていると、高校や大学に入学した時の部活勧誘を思い出す。

あの雰囲気はとても高揚するのだが、どの部活においても、自分がそこでワイワイしている未来が想像できなかった(結局、今一つ盛り上がりに欠けているような部活に入部してきたのが私である)。

 

各サークル紹介に必ず記載している「応募資格」の欄が引っかかる。

 

 楽しく一緒に走れる人

 

 初心者、経験者、年齢、性別問わず、一緒に楽しくランニングできる方

 

老若男女問わず。初心者歓迎。ジョグや走りを楽しみたい方。


皆で一緒に練習したり大会に出たいという方、共に走る仲間と励まし合いながら続けられる方。初心者大歓迎!

 

 

「……まあ、ね(苦笑)」

 

コミュニケーション能力がカタツムリレベルの私にとっては、どれもハードルが高すぎる(よく営業を続けていられるよな)。 結局のところ、最低限の社交性を持ち合わせていないと……でも、いつかはこういう楽しみ方もできる大人になりたいな。まあそれは、三十路までの目標ってことにしようかな(もうちょい)

 

 今は、遠くで走るつながりを楽しんでいる方々を遠目で眺めるくらいが限界ということで……(実際のマラソン大会もそんな感じだしね)。

 

 

以上、恥ずかしい胸のうち(*_*)