ギザ十な日々

2人の息子と妻との日々を書いています。

夫の私も母乳が出たらどんなに良いだろう、と思ったり思わなかったり。

 

夜。

 

タロウ「うぎゃああ、うぎゃあああ!」

 

「おお、よしよし、眠いのか?眠くないのか?おむつなのか?ミルクか?ミルクじゃダメなのか・・・ダメだ。ねえ。母乳みたいよ」

 

妻「え?ああ、はいはい。ちょうど張ってきたとこだから。はいはいタロウちゃん、ちょっとまってね」

 

妻が準備ができたところで、ギャンギャン泣いている息子のタロウを渡す。そして、むさぼるように妻のおっぱいに吸い付く。

 

「うーむ。やっぱり泣き止みおった」

 

妻「お腹空いていたんだよね~」

 

「いや、粉ミルクじゃダメだったのよ。おっぱいじゃなきゃダメなのよ」

 

妻「一杯吸って良い子だねー・・・って、痛い痛い!タロウちゃん、強いって」

 

強烈に吸い付く息子を嬉しそうにあやす妻。

 

 

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生まれたての頃は、妻も母乳のことでよく悩んでいた。母乳が出るマッサージのyoutubeを観ながら真剣にマッサージをしていたし、時には助産師を呼んでマッサージしてもらったりもしていた。食生活にも気を遣い、母乳に効きそうな物を手当たり次第試していた。タンポポ茶なるまずいお茶や、苦手な甘酒も毎日のように飲んでいた。それでも、即効性のある物というのはなかなか無く、母乳が思うように出ないときはよく落ち込んでいた。

 

そんな妻も、タロウが産まれてから1ヶ月経過したあたりから順調に母乳が出るようになった。妻はそのことをとても喜んでいた。無論、わたしもホッとした。私の場合、母乳が出たことよりも、妻が育児の不安から少しでも解放されたからだったかもしれないが。

 

母乳の問題は、新しくお母さんになった人たちにとって最も大きな悩み事の1つだろう。個人差が大きく、少なすぎても多すぎても悩ましいが、母乳について無責任な言葉(『粉ミルクだけだと免疫的にねえ』とか『私は完全母乳だったよ』とか『母乳いっぱいでるならいいじゃん』とか『粉ミルクでも母乳でもどっちでもいいよ』などなど)を軽はずみに吐くと、一生恨まれることになる。夫や姑の皆様はよくよく注意した方が良い。いや、本当に。

 

 

「・・・母乳は偉大だねえ」

 

妻「ん?何が?」

 

「いや、俺が何やってもダメだったのに、母乳与えたら泣き止むんだもの。うらやましいよ・・・おれも母乳が欲しいな」

 

妻「は?何言ってんの。あげないよ笑」

 

「いや、そういう意味じゃ無い。俺が欲しいのは母乳が出る能力だ。おれも母乳が出る力があれば、タロウを泣き止ませる強力な武器を手に入れることになるだろう。どれ、試しに一回吸わせてみるか」

 

妻「ダメ。やめて。将来、タロウがぐれそう」

 

 

というわけで、妻の反対によって断念。

 

 

余談だが、ハトのオスは私がうらやむ「母乳を生成するチカラ」を持っているらしい。少し前にそんな本を読んだ。

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正確に言うと母乳では無く、「そのう」と呼ばれる食道と胃の間にある消化器官で生成された液体である。それは「そのう乳」、別名ピジョンミルクと呼ばれる。硬い穀物を主食とするハトは、そのままヒナに口うつしすることができない。そのため、一度親鳥が穀物を消化してピジョンミルクを生成し、それを口移しする必要があるようである。そして、このピジョンミルクを作る能力は、メスに限らずオスにもあるということである。ああ、うらやましい。

 

公園や駅前にいるハトをなんとなく毛嫌いしていた私だが、育児の視点で言えば、オスのハトのイクメンっぷりに恐れ入る。そして、ミルクを作れる能力がとてもうらやましい。私だって母乳が出たら、今以上に育児に参加するというのに。いや、これ、本当にそう思うんだけど・・・。

  

 

母乳に憧れを持つなんて、今後の人生でもそんなに多くなさそうなので、とりあえず日記に思いをまとめてみた次第。・・・と、ここまで好き放題書いてきたけど、乳が張って眠れない、と辛そうにしている妻の姿を見ると、あんまりいい加減なこと書いちゃいけないよな。なんて思ってみたり。