「まくら」営業、はじめました。

営業職の男です。「まくら」を極めて営業のタツジンになりたいのです。

最後に急須を使ったのは、いつ?

 

 

茶を飲むのはただ喉を潤すためじゃない その一拍の休みで心身を切り換えて自分のリズムを作る そういう場を作り出すのが「茶」だ

青木幸子『茶柱倶楽部』第一煎 旅立ちの八十八夜 より

 

一杯の茶のためには、世界など滅んでもいい。

ドストエフスキー

 

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今から4カ月前。

私は静岡県で行われた『しまだ大井川マラソン』に参加した。その後日談である。

 

yakiimoboy.hatenablog.com

 

走り終えた後、会場最寄り駅の島田駅に移動。そこから電車で静岡駅まで向かい、バスで大阪まで帰る流れであった。

 

帰りの電車を待つ間、島田駅内でランナー向けに出されていた簡易の出店をのぞく。

 

 

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お茶屋「いらっしゃいませ。静岡のお茶はいかがですか~」

 

(静岡のお茶!)

 

私はその声に誘われ、そのお店を見る。

 

「……」

 

茶娘「こちら、よろしければどうぞ」

 

「ありがとうございます。いただきます」

 

試飲用のお茶を受け取る。

 

「ん、うまい(深蒸しか)」

 

茶娘「はい。こちらのお茶になります。『封切蔵茶』と言って、低温貯蔵で熟成させた独特の風味のお茶です」

 

「……へえ。あ、『煎茶ラテ』なんてものもあるんですね。珍しい」

 

茶娘「そうですね。普通は抹茶ラテですからね。こちらは、ミルクの中に煎茶パックを入れたものになります」

 

「……ほう。あまり見ないものですね。では、こちらを一つ下さい」

 

茶娘「ありがとうございます。お茶、お好きなんですか?」

 

「いや、好きということもないんですが、ちょっと……」

 

 

 

私は言おうかどうか一瞬ためらったが、走り終わった後の興奮状態も手伝ってか、口が軽くなっていた。

 

「実は、お茶の資格を勉強しているんですよ。今度の11月に試験があって」

 

茶娘「もしかして、――ですか?」

 

「あ、そうです。それです」

 

茶娘「私も――受けるんですよ!え、お茶関係の方ですか?」

 

「い、いえ。お茶関係ではないんですが、ちょっとお茶のことを知りたくなって……」

 

茶娘「そうなんですか!あ、こちら煎茶ラテになります」

 

「あ、ありがとうございます。試験難しそうですね。お茶関係で働いている人からすればそうでもないのかもしれませんが」

 

茶娘「そんなことないですよ!全然、難しいです(笑)お互い、試験がんばりましょうね!」

 

「ええ、そうですね(笑)じゃあ、せっかくなんでこの『封切蔵茶』1つ下さい」

 

ということで、その時に購入したお茶がこちら。

 

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70℃のお湯で1分半。

 

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深蒸し茶なのに、水色は透き通る青緑色。渋味が少なく、コクを感じられる一杯。私が普段買っているスーパーのお茶とは別物である(まあ、スーパーのもソコソコうまいんだけどね)。

 

 

さて、こんな日記を書いたということは。

 

 

 

そうです。お茶の試験、合格いたしました。その名も、

 

 

日本茶インストラクター

 

です。

 

 

日本茶インストラクターとは

日本茶インストラクターは、NPO法人日本茶インストラクター協会が認定する資格です。
日本茶に対する興味・関心が高く、日本茶の全てにわたる知識及び技術の程度が、消費者や初級指導者(日本茶アドバイザー)を指導する適格性を備えた中級指導者です。

日本茶インストラクターHPより

〇活動内容

日本茶教室の開催、学校・カルチャースクール等各種講師、日本茶カフェプロデュース、通信教育添削講師、日本茶アドバイザーの育成・指導など

 

〇受験者

図1 日本茶インストラクター受験者の推移

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日本茶インストラクターの受験者は、これまで1万3,000人以上の方々が受験しています。男女別では、初期の頃には男性が多くを占めていましたが、最近では女性の受験者が増えています。

 

 

図2 日本茶インストラクター受験者の年齢層

 

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平均年齢は37歳で、20代から40代を中心に働き盛りの方々が受験される傾向がみられます。

 

〇試験スケジュール

11月中旬 1次試験 (筆記試験)

2月初旬 2次試験(茶葉鑑定試験、インストラクター実技試験、面接)

 

少し前にこんな日記を書いていた。

 

yakiimoboy.hatenablog.com

 

 

会社の長期休暇をフルに使って試験勉強を行った。実はあの時勉強していたのは、この日本茶インストラクター試験の1次試験(筆記試験)の勉強だったんですね。

 

基本的には日本茶にかかわる方々が受ける試験なのだが、私は特にそういう立場の人間でもない。また、恥ずかしながら、この資格の勉強をするまでは、急須で日本茶を淹れたこともほとんどない、まさにど素人だった。そのため、そもそもの基礎知識が足りず、内容はかなり難しく感じた。

 

でもまあ、やってみるもんですね。なんとか1次試験通過できました。そして、勉強していくうちに日本茶の世界に少しずつはまっていきました。今では、毎日会社に自分で淹れたお茶を持っていくようにもなりました。

 

さて、11月に1次試験を通過した後、2月に2次試験(茶葉鑑定試験、インストラクター実技試験、面接)が待っていた。

 

個人的には、こちらの方が難易度が高かった。特に「茶葉鑑定(平たく言うと、いいお茶と悪いお茶を見分ける試験)」は、普段あまりお茶に接する機会がないので、最初はまるでわからなかった。

それでも、いろいろなお茶を買って勉強した。今では、500円/100gと、1,000円/100gの違いくらいは分かるようになった(もっと細かいことを聞かれたらわかりましぇん)。

 

そして臨んだ2次試験。……結果は正直ボロボロだった。落ちることも十分あるだろうなあと思っていた。

 

だが、2月15日の夜、家のポストに合格通知が入っていた時、飛ぶように喜んだ。なんというか、この感覚は大学入試ぶりくらいの昂揚感だったと思う。

 

 

というわけで、わたくし、はれて日本茶インストラクターになることができました。まあ、成ったところで、何をするのかまだわかりませんが。

 いずれにしても、これからももっともっとお茶の知識を深めていきたい。この日記でもお茶のことをもっと書いていけたらいいけど……まあ、まだ素人に毛が生えた程度なので、あんまり語ったら恥かくだろうな(笑)

 

 

さて、お茶を淹れながら、ふと、上記島田駅での出来事を思い出した。

 

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あの時

 

「私も日本茶インストラクター受けるんですよ!」

 

と言っていた茶娘は、結果はどうだったんだろうか。またどこかで会えたら面白いなあ、なんて思いつつ……あの時買ったお茶を味わう休日であった。

 

 

――ああ、なんだかお茶に癒されてるう。