手荒れの功名
日曜日。夜。
夕食を済ませ、妻とソファでゆったり。私が本を読んでいると、急に妻が大きな声を上げる。
妻「ちょっと!どうしたのその手!?」
「うん?」
妻「荒れすぎでしょ!?」
「そ、そう?」
妻から言われて、改めて自分の手を見てみる。まあ、確かに荒れてはいるのだが・・・。
妻「ちょっと、クリーム塗るから!」
といって、妻が使っているクリームを取り出し、私の手に塗り始める。
「イッタイイッタイ!しみるって--」
妻「昨日、大掃除したときに洗剤にやられたんだよ、きっと」
「いや、その前からこんな感じだよ。洗濯ものを干すときが一番しみるのよね。まあ、今年は手洗いの頻度が特に多いからね」
妻「そうだけど・・・ごめんね。家事全部やらせてたから・・・痛かったでしょ?」
「いや、まあ、しょうがないでしょ。コレは」
妻「寝る前にもクリーム塗ってね?このクリームじゃなくてもっと良いやつ有るから、今度はそっち塗るから」
「大げさだってば。いいよ、これくらい」
妻「ゴメンね、いつも家事、ありがとう…」
「いや、別に当たり前のことだから。妻が妊娠してるんだから、手荒れぐらい、なんだってんだよ。そんなこと気にするなよ」
妻の心配した様子--まあ、悪い気はしなかった。ただ、私は毎年冬になると(家事をしようがしまいが)手が荒れやすい、ということは・・・とりあえず妻には伏せておこう。そういえば、大学時代にコンビニのバイトをしていた頃、同じ時間帯のバイトのコに「手荒れひどいね、痛そう・・・」って言われて手をさすられたことがあったなあーーあのときは青春だったなあ。手荒れも悪いことばかりではないな(あはは)。