ギザ十な日々

2人の息子と妻との日々を書いています。

鬼滅の刃に「50点」といえる妻はやっぱり私の妻である

 

水曜日の夜。

 

妻「ごちそうさまでした。それじゃあ、鬼滅の刃観ようよ」

 

「ーーああ、そうね」

 

夕食を食べ終えた後、ネットフリックスで『鬼滅の刃』を観るのが、ここ数日の夫婦の恒例となっていた。こんだけブームになった後に見始めるのも悔しい感じがしたが、まあ、日本中、いや世界を巻き込んで(?)ヒットしている作品であるので、なんとなく観ておきたかったのだ。

 

どうでもよいが、あらゆるテレビ番組で鬼滅の刃のOP曲(もしくは映画の曲)が流れる度に、「もういいよ」と言ってチャンネルを変えたのは私だけでは無いはず(そんなことないのかな?)。

 

余談ながら、この鬼滅ブームによって、10年ほど前に読んだティッピングポイントという本を思い出した。

 

 

 ティッピングポイント:それまで小さく変化していたある物事が、突然急激に変化する時点を意味する語。臨界点や閾値と言い換えられることもある。主に、物事が爆発的に流行して社会に広まる際に、その時点を指して用いられることが多い。

「ティッピングポイント」の意味や使い方 Weblio辞書

 

 ティッピングポイントが訪れるには、『少数者の法則』『粘りの要素』『背景の力』の三原則があるされている。詳しくは本を読んで欲しいが、この本の内容を一言で表した著者の下記の言葉は実に興味深い。

 

"Ideas and products and messages and behaviors spread like viruses do"

(直訳:アイデアや製品やメッセージや行動は、ウィルスのように広がる)

Malcolm Gladwell(マルコム・グラッドウェル)

 

鬼滅の刃もある意味、今年流行った謎のウィルスのようなもの?

 

 鬼滅ブームがなぜ起こったのか?の分析はネットで検索すれば沢山出てくるので、今、私が無い知恵しぼってする必要もない。ただ、この本をもう一度読んでぼんやり考えてみたい、と思ってみたり。

 

 

 

 

まあ、めんどくさいことは抜きにして、 これほど多くの人から受け入れられた作品なのだから、鬼滅の刃は間違いなく面白いと言えるだろう。ものすごく面白いかどうかはわからないが、少なくとも外れではなさそうだ。

 

 

4日前に1~2話を見終え、3話目に勧めるのは止めた。面白くて寝不足になる可能性を感じたからだ。そして、3日前に3~5話を観る。やはり面白い。これは年末年始は鬼滅の刃三昧になりそうだ、と妻と盛り上がった。そして一昨日には、はしゃぐように6~7話を観る。

 

・・・と、ここあたりで少し違和感を覚え始める。なんとなく自分たちの中の気持ちの盛り上がりが緩やかになった感じがしたのだ。7話目を見終えた段階で私は妻に恐る恐る

 

「ねえ、面白かった…よね?」

 

とたずねる。妻は無表情で、

 

妻「え?ああ、面白かったよ」

 

「ホントに?」

 

妻「うん。まあ、面白かったよ」

 

と、あからさまに数日前とは異なるリアクションを見せる妻。

 

 

そして昨日も8~9話を観たのだが、私の気持ちの盛り上がりがますます停滞、というか、むしろ減退しているコトに気づく。9話目を見終えた後に

 

「ねえ、面白かった?コレ」

 

妻「うん、まあね」

 

そして今日。10話目からスタート。

主人公側が鬼となった男女を惨殺する描写に少し辟易。11話目からは新しい新たな仲間が加わっていき、12話目には新しい仲間の能力が明らかになっていく。多くのファンは13話目をみるのが待ち遠しい気持ちになっていただろう。

 

「どう、これ。今日は盛り上がったのかな?」

 

妻「うん、そうだね」

 

私は再び恐る恐る妻にたずねる。

 

「ねえ、これ、面白い?」

 

妻「う~ん・・・」

 

「点数をつけるとしたら、何点?」

 

少し悩んだ様子で

 

妻「ーー50点だね。観れるけど、観なくても良い感じ」

 

妻のこの言葉を聞いて安心。

 

「ああ、よかった俺もおんなじだわ。いや、面白くない訳じゃ無いんだよ?でもさ、ちょっともういいかなって思っちゃったのよね。いや、あれだよ?観る人によってはとってもおもしろんだよ?もしかしたら子供産まれたら面白く感じたりするのかな?でもさ、別に今の俺たちが無理してまで観なくてもいいかな?って感じかな?うーん、でもどうかな?これから面白くなるのかな?面白くなる可能性もあるからね。こんだけ世間が面白いって言ってんだもん。急激に面白さが増していくのかもしれないよね。どうする?もう少し観る?」

 

妻「もういいよ。明日から観なくて。じゃあ、あたし風呂に入るから」

 

「でもさ、ほら、俺、営業マンじゃん?こんだけブームになったんだから観とかないと話題についていけないじゃん?だから一応観といた方が良いのかな~とか思うのよね。それに、時代を象徴する作品として将来歴史の教科書に載りそうだし。あ、もしかしたらマンガも読んだらまた見方が変わってくるのかも」

 

妻「じゃあ、イモちゃん(私)一人で観て。今後、私は『愛の不時着』観るから」

 

 

 

と言い捨てて浴室に向かう妻。その後ろ姿が頼もしく見える。あらためてこれぞ俺の妻だ、と思うのであった。まあ、私も『鬼滅の刃』はもう良いかな(笑)代わりにAmazonプライムで『キテレツ大百科』でも観ようかしら。

 

多くの人から受け入れられた作品だとしても、鬼滅の刃が私たちにとって間違いなく面白いと言えるかどうかは・・・そうでもないのかもね。

 

いや、ファンの人に言っておきますけど、面白いんですよ?面白いんだけど、ほら、趣味が違うというかさーーあとはタイミング?今の私たちにはゴニョゴニョゴニョ・・・。